●4月のMVP 成田和也(88期・福島)
武雄競輪GⅢ「開設75周年記念 大楠賞争奪戦」4月10~13日
熊本競輪「FⅠシリーズ」4月21~23日
4月は武雄記念、熊本FⅠの2本を走った。熊本は盟友、新田祐大のインまくりに続くと切れ味よく直線を抜けだして今年初優勝を挙げた。2012年2月にGⅠ初戴冠を遂げた思い入れある熊本走路で力を示した。
ここで取り上げるのは武雄記念、2日目二次予選11Rだ。新山響平を目標に得たが、なんと当日に新山が体調不良により欠場してしまった。足場を失った成田が選んだ策は石原颯の番手にジカ勝負、だった。石原の番手は小倉竜二。突如として勃発した好マーカー同士のマッチアップにオールドファンたちは色めき立った。
結果は成田がしのいだ。打鐘すぎ、外競りから口が開きつつも石原の番手を手にして2着をキープした。「結果はたまたま。(新山がいなくなり)自分でまくれればいいけど、その辺は微妙なので。だからって恥ずかしいレースはできないし、小倉さんの分厚い胸をお借りしました」と競りに至った胸中を明かした。小倉も「アップ中に挨拶に来てくれました。焦って突っかかってしまい押し込まれた。キッチリやられました」と敗因を振り返った。
とっさの判断を強いられた難しい戦いだったが、何らかの突破口を見つけなければならない。成田の答えは「競り」。きってのマーク屋がこれまでの経験を総動員した熱い走りだった。