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9月の印象に残った選手、レースを紹介!
特集 2022.10.12

9月の印象に残った選手、レースを紹介!

#今月のベストプレイヤー

【9月のMVP】

郡司浩平(神奈川99期) S級S班

 9月は青森競輪「開設72周年みちのく記念競輪GⅢ善知鳥杯争奪戦」と名古屋競輪場「第38回共同通信社杯」の2本を走った。名古屋では圧巻の完全優勝を飾ったが、直前の青森競輪での4日間の試行錯誤が怒涛の4連勝につながったとみる。

 青森を振り返る。前回8月の小田原記念で投入した「全体的に硬めの新車」がなかなか噛み合わず、初日特選はまくって11秒3と好タイムで2着だったものの「ぜんぶ、やり直しですね」とセッティングや乗り方に不安を残した。すると2日目は、長い距離を踏んで状態をつかもうと会心の鐘4角先行。松谷秀幸に差されたが2着に逃げ粘った。3日目も菊池岳仁の3番手をキープして2角まくり。荒療治が功を奏し、徐々に本調子を取り戻していった。

決勝戦はあのスーパールーキー中野慎司との対戦。連勝記録を更新中の新鋭に吉田拓矢、清水裕友と郡司らSS班の面々は総出となって洗礼を浴びせた。優勝は吉田にさらわれたが、「段々と自転車と体がマッチしてきた。中野君との対戦は脅威でしたね」と収穫に加えてSS班のプライドを保った実りのある開催となった。

準備に準備を重ねた結果、名古屋では寸分のスキのないレースで他を圧倒した。7月の佐世保記念では決勝戦当日に体調不良のため欠場し、8月のオールスター競輪の最終日には落車負傷するなどリズムを落としつつあったが、名古屋で一気に挽回。これで賞金ランキング5位までジャンプアップさせ、賞金面での「KEIRINグランプリ2022」出場に大きく前進した。

●レース 京都向日町競輪「開設72周年記念 平安賞」 

9月26日3日目11R 

小倉竜二(徳島77期)

 清水裕友の鐘4角カマシ先行に乗っかると、たやすく追走し、勝負どころの2センターに入ると稲川翔を強烈にブロック。一見、追い込み選手の当たり前の仕事のように見えたが、稲川はテクニック、スピードを含めてヨコの動きに激しく、とても〝重い〟し荒々しく、到底、軽めにしのげる相手ではない。

 小倉の追い込みテクニックはとてもスマート。激しく持って行く際は、頭、肩やひじを使って丁寧にいなす、といった表現がしっくり来るほどだ。それでも相手が稲川ではそうはいかない。レース後には稲川を阻んだプレーは本人の言葉では「ブロック」ではなく「打撃」だった。それほどの力技を繰り出さなければ、稲川を阻む事ができなかった。

 終わってみれば清水を交して1着をゲット。2着に清水を残す余裕の運びで追い込みの仕事を全うした。 

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