S級初戦で見せた大きな存在感
猿樂楓樹が、S級初戦で将来性たっぷりの走りを見せた。
昨年12月から出走し、チャレンジ戦は3場所負けなしで卒業。A級1・2班戦でも、初戦となった1月取手で完全優勝を飾るなど、快進撃を続けた。さらに4月岐阜、5月高知、同月小倉と3場所連続完全優勝。本格デビューからわずか半年でS級へ駆け上がった。
注目のS級初陣は、6月の久留米「中野カップレース」。いきなりのGⅢ、しかも初体験の9車立てだったが、猿樂は臆することなく攻めた。一次予選では大石剣士、岩谷拓磨らを相手に、打鐘過ぎから主導権を握ってそのまま押し切った。
「いい緊張感で臨めた。最後まで踏み切れたし、1着はうれしかったですね」
上々の滑り出しに笑顔を見せた。猿樂をマークしながら3着となった友定祐己も、「猿樂が強かった。僕とは脚質が真逆。大嫌いなタイプ」と、最後までグイグイ加速していく猿樂の走りに舌を巻いていた。
シリーズ成績は1、7、2、9着。3日目特選では逃げて、岩津裕介との岡山ワンツーを決めた。一方で、二次予選では新山響平、最終日の特別優秀では山崎賢人と、GⅠ級の自力型を相手に力の差も見せつけられた。二次予選後は「スピード域が違った。まだまだ勉強ですね」と話しながら、食い入るようにレースのVTRを見返していた。
それでも、シリーズ4日間を通じて、周囲のS級選手に大きなインパクトを与えたことは間違いない。実際、3日目には検車場で猿樂のレースを見ていた多くの選手から、「強いなあ」と感嘆の声が上がっていた。
猿樂自身も、「S級一発目で、この経験ができた。GⅠ選手と戦えて面白かったし、自分の中の指標が見えた」と、引き締まった表情でシリーズ4日間を振り返った。
「しっかり先行選手としてGⅠに出て、太田海也さんよりも任せてもらえる選手になりたい。いつか海也さんに『後ろに付いてください』と言えるように頑張りたい」
大きな目標へ向かって、これからも積極果敢に逃げ続ける。