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直送!競輪場便りfrom西武園競輪場  宿口陽一(埼玉91期)
インタビュー 2022.08.31

直送!競輪場便りfrom西武園競輪場  宿口陽一(埼玉91期)

#競輪場便り

地元G1・オールスターを終えて…

 S級S班の立場で迎えたホームバンク・西武園でのGⅠオールスター。結論からいえば、期待に応えられたとは到底いえず悔しい結果に終わった。

 一走目のオリオン賞は、ファンの支持がなければ走れない舞台。「なんとかいい結果を」と臨んだものの、気合が空回りして眞杉匠の仕掛けに離れる痛恨の失態を犯した。仕切り直しを図った勝負の二次予選は再び眞杉の番手回り。しかし今度は別線に飛び付かれるとあっさり位置を明け渡し、屈辱の二次予選敗退となった。

「練習も追い込んでやってきたし、セッティング、自転車、調子、どれも自分の中では万全で入ったつもりだったんですが…。ホント情けないとしか…」

 それでも4走目、5走目で連勝を飾り、せめてもの意地を見せる。

「平原康多さん、吉田拓矢君にセッティングをみてもらったら、急激に良くなったんです。もちろん1着は、頑張ってくれた先行選手、後ろを固めてくれたラインのおかげなんですけどね。それでも少しだけ恩返しができたのはよかったです」

 宿口は、良くも悪くも〝S班っぽくない〟ところがある。もちろんS班の自覚は持っているが、GⅠ初優出でいきなり優勝しS級S班になったものの「自分はまだまだ」という思いが強い。だからこそ周囲からのアドバイスや助言を大切にして、なおかつ「自分でももっと考えなきゃ」と自立を目指している。そんな宿口の努力、苦労を間近で見ている兄貴分の平原も時に厳しい言葉も交えながらアドバイスを送り続けている。

 過去にはA級陥落も経験し、そこからS班まで昇り詰めた男は、失敗から多くのことを学べること、またそれを糧にしていく術を知っている。再び西武園で開催される来年のオールスターで1年越しのリベンジを果たすべく、これからも今まで通り謙虚に精進を重ねていく。

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