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直送!競輪場便りfrom  松阪競輪場 杉本正隆(茨城・96期)
インタビュー 2024.12.18

直送!競輪場便りfrom  松阪競輪場 杉本正隆(茨城・96期)

#競輪場便り

逃した魚は大きい、というが松阪GⅢは杉本にとって物凄くチャンスがあった。たらればは禁句だが、それでも振り返るとどうしてもたらればになってしまう。

 大会前の佐世保初日に落車したが「雨も降っていたし、擦過傷程度です」と前検日には元気な姿を現した。だが、いざレースとなると一次予選、二次予選とも4着と平凡な動きが続いた。それでも「着は今一だけど、それほど悪くない。ただ確定板に載らないとダメですね」と強気ながらも反省の言葉を口にした。迎えた準決は長島大介を目標に得て、3番手は芦澤辰弘が固める盤石な茨城ライン。人気も茨城ラインに集中していた。だが、レースはそれほど甘くない。

 久田裕也が逃げ、堤洋、稲吉悠大が続き、長島は4番手。長島の力からすればこのポジションは勝利への近道。しかし長島はバックでも動かずやっと仕掛けたのは2センターからだが、スピードの乗りが良くない。杉本はまくり追い込みをかけた長島を外から抜きに行くが、長島も3着がやっと。これでは杉本も苦しい。注目は2着に芦澤が入ったことだ。芦澤は4コーナーを回ると進路を杉本の後ろではなく内に取り、最後は中を突っ込んだ。「もし自分が辰の位置だったら、同じようなコース取りをしたかもしれない。それは展開だから何とも言えない」と5着の結果に肩を落とした。

 決勝は長島の先行1車。2番手は芦澤。誰かが競りにくると思われたが蓋を開けると芦澤は無風。直線で長島を交わしGⅢ初優勝を飾った。それだけに杉本の準決が悔やまれる。「もし自分が勝ち上がって番手だったら誰か競りにきたかもしれないですから」。

 今年は7月の青森で優勝したが、失格もあり決して満足いく成績ではないと言う。「そうですね、何かが足りないんです。もっと上の舞台で戦いたいし、それには足りない何かをみつけないといけませんね。練習もデビューしてからずっと街道だしバンクにはほとんど入りません。それも含めて考えたいと思っています」とプラスアルファを求めて上を目指していく。

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