S級で見せた確かな成長
木村佑来が半年間のS級戦で確かな成長を刻んだ。1月久留米では3日間、最終バックを取れず767着に敗れるなど、昇級当初は苦戦続きだった。しかし、2月四日市でのS級初勝利に3月のあっせん停止から復帰した後は走るたびにレースでの存在感を増している。
6月佐世保では242着。S級初の決勝には届かなかったが、準決では逃げて佐々木豪、橋本瑠偉に先着した。その準決で木村マークから1着だった安部貴之は「俺に余裕がなかった。あれが佑来の普通。ようやく実力が出てきた感じ」と、さらり。木村は成長の要因をこう説明した。
「競走での走り方をいろんな人にアドバイスをもらい、斡旋停止だった3月に練習メニューを見直した結果ですね。5月武雄で(菅田)壱道さんに『前に出た時のペースが遅すぎたり、早すぎたりしている。こういう風にやった方がいい』と言ってもらった。それを最終日に実践してから良くなった」
続く5月西武園から3場所の連対率は5割超え。6月大垣G3では2日目から3連続で確定板入りを果たした。S級ではパワー不足を感じ、ウエートトレーニングに力を入れて体重も増加した。その成果もレースで実感できるようになった。
直近の競走得点も初めて100点を超えた。ここからというところで来期からA級に落ちてしまうのは残念でならない。
「最近はS級でもちゃんと戦えるようになったので、A級でもしっかり走ってS級に戻った時に今と同じくらい走れるようにしたい。特昇できればいいけど、まずは今までどおり走って結果がついてくれば。なるべく早く戻って、今度は上の舞台で戦える先行選手になりたい」
半年間でS級でも戦える手ごたえはつかんだ。次に戻る時はさらなる成長を遂げて、上位に駆け上がりたい。