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編集部コラム 「KEIRIN On My Mind」
インタビュー 2023.05.24

編集部コラム 「KEIRIN On My Mind」

#競輪場便り

19時半過ぎ、いつものラーメン屋に入店。夜は明日使うス―プの仕込みをしながらの営業だ。当日の朝やらないのは、このあとリラックスしてミッドナイト競輪を楽しみたいため。そりゃあ、お金は貯まらないわ。

ほかにお客さんがいなかったから、できあがったラーメンを店主自ら持ってきて、そのままテーブルの向かいに座り込んだ。

さっそく日本選手権競輪の反省会。脇本雄太のあれこれを話し、決勝で清水裕友から買っていたマサさんの愚痴を聞いて、37歳でGⅠの決勝に初めて乗った和田圭の話題へ。

そこへ「相変わらず冴えない顔してるねえ」と憎まれ口をたたきながら入ってきたのは「婦人」。仲間うちではそう呼んでいる。「あれこれ考えない」、「正しい車券」が口グセで、主に本命サイドを2、3点買って楽しんでいる、ショートカットの御婦人。

そういえば宮城県出身だったな。今、和田のことを話していたんだよ、と水を向けると、小田原記念もよかったし、ダービー前の取手は3連勝だったからねと立て板に水。続けて弟子の2人も好調なんだよと。宮城県の選手のことは私に聞いてくれと言わんばかり。故郷の選手を応援するっていうのも、競輪の楽しみ方のひとつだから。

婦人の言うことは確かにそうだ。まずは原大智。昨年3月にスキーのモーグルとの二刀流から競輪一本に。結果が出てきたのは今年2月の和歌山から。5月初めの前橋まで7場所を消化して優勝3回。前受けから突っ張るし、まくりにも威力がある。当たられても体の軸がぶれない。後ろがつけづらいときもあるけど、持っているポテンシャルがようやく競輪で生かされるようになってきた。S級が狙える位置にきたし、S級でもやれるでしょ。

原 大智

もう一人は櫻井祐太郎。原と同期の117期。こちらはすでにS級で、170センチと小柄ながら、とにかく前へ出ていく競走スタイルが魅力だ。先月の平塚で、昨年7月の宇都宮以来9カ月ぶりの決勝進出を果たして準優勝。先行で状態を戻すべく奮闘が続いていたが、あと少しで決勝の常連になれる感じがする。

櫻井祐太郎

ちょうど今日の西武園ナイターの準決に櫻井が走る。これは縁を感じるねえ。櫻井が2着に逃げ粘って、決勝進出をみんなで祝おうと話がまとまり、車券も3人の乗りで買ったんだけど…。

櫻井は赤板過ぎから逃げ、本命の山岸佳太にまくられて4着。レース後に夫人がひと言。

「でも、これは正しい車券」。使い方、合っているか。

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