腰痛を克服して再び大舞台へ
4月小松島の予選1Rで三谷政史が今年初勝利を挙げた。逃げる菱田浩二マークから抜け出したレースに「一生勝てへんかと思った」と感慨深げ。昨年10月松阪以来、半年ぶりの1着だった。
2010年の後期に初めて昇級してから12年半S級で戦ってきたが、今期からは無念のA級落ち。しかも失格のマイナス点ではなく、点数を取れずに降格した。低迷した要因は重度の腰痛だった。
「おととし12月の豊橋で腰を痛めた。競走得点にも余裕があったし、その時はギックリ腰ぐらいで何とか走れるだろうと思っていた。2月の地元記念にも出たいから、だましだましやったのが失敗で、症状はひどくなる一方だった。甘い考えだった」
いろんな病院で検査した結果、腰椎に5か所もヘルニアが見つかった。一時は歩くことも困難になるほど、症状は悪化。「去年1年間、S級を走った時は全然ダメ。最後の方で何とかって感じ」と振り返るように体が動くようになるまでには1年近くかかった。
「やっぱりレースを走らなきゃ分からないものがある。小松島の1着で、もう少し戦えるかなと思った。怪我で落ちちゃったので、A級でも正直1着はうれしかった。みんなが『1着はいい薬』って言うけど、そう思いましたね。暖かくなって状態は上がってきた。最近は練習でも踏めている」
14年の寬仁親王牌、18年の全日本選抜には将太、竜生の3兄弟そろってG1に出場した。
「できるなら上で走りたい。弟たちは上位で戦っている。僕もそこに戻れるように頑張りたい。また同じステージに近づけたら」
3月高知の失格で今期のS級点は厳しそうだが、来期からのS級復帰は決まっている。腰痛を克服して、弟たちが活躍する舞台に返り咲いてみせる。