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直送!競輪場便りfrom 松戸競輪場 矢野光世(福岡104期)
インタビュー 2022.11.02

直送!競輪場便りfrom 松戸競輪場 矢野光世(福岡104期)

#競輪場便り

「人は人、自分は自分」 独特の世界観を持つ愛されキャラ

 ガールズの名伯楽ともいわれる藤田剣次の弟子の1人。ただ矢野は門下生の中でも、いや、むしろガールズ全体をみても異彩を放つ強烈な存在だ。

「私はネタキャラ」と自覚するように、とにかく他の選手とは一線を画す独特な雰囲気の持ち主。普段の振る舞いや話し方、性格、そしてレーススタイルと、全てにおいてとにかく〝サバサバしている〟。特にレースでは、位置取りにこだわることは滅多になく、どこかで自力を出して、出切れるか出切れないか、残れるか残れないか、の戦いを繰り返す。大敗も多いが、車券を買うファンが納得する走りを常にしてくれる選手でありガールズの中でも希少な一発屋として独自の地位を築いている。

 病気による長欠や不調の影響で一時は代謝の危機に瀕した事もあったが、なんとか切り抜けると少しずつ成績も上昇。そして10月の松戸ミッドナイト初日、久々に大仕事をやってのけた。

 伏兵の立場だったが、打鍾を目掛けてイチかバチかの大カマシを放つと、これがまんまと決まり見事逃げ切り勝ち。3連単37万円台の特大配当を提供したのだ。引き揚げてくるなり「私、1着ですか?」と真顔で尋ねたり、2日目は一転してシンガリ負けを喫し「これが実力です(苦笑)」と頭をかくなど、このシリーズは矢野らしさが詰まった開催となった。

「この(自力主体の)スタイルでやっているのは、併走が苦手で追走技術も皆無だから。(同門の選手と比べられることもあるが)そもそも脚が違いすぎるし、なにより〝人は人、自分は自分〟って思っているので。これからも私らしいレースをするだけです。(併走に恐怖心があるため)諦めが早いのは博打の駒としてどうかと思うけど、それも承知の上で車券を買って応援していただけるとうれしいです。期待に応えたいっていう気持ちは常にありますし。ただ、いつ(結果として)出るのかは自分でもわからないので困っちゃうんですが…(笑)」

 ちなみに大のお酒好きで酒豪ともっぱら評判だが「若い頃よりは、体とうまく付き合いながら(飲む量を)

調整しています。まあ、相変わらず飲んではいるんですけどね(笑)」と最近は少しだけ気を遣うようになったそうだ。

 我が道を行く〝やのてる〟。これからも貴重なガールズの一発屋として、ファンの期待に応えていく。

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