月刊競輪WEB

検索
奥井迪選手が通算500勝達成!
インタビュー 2023.04.12

奥井迪選手が通算500勝達成!

#ガールズ・スター・プレス

奥井迪選手が3月20日の前橋競輪場で通算500勝を達成しました。ガールズケイリン選手では2人目の達成で、デビューから8年11か月10日での達成はガールズケイリン史上最速の記録になります。500勝の節目勝利を飾り、改めて今年末に行われる地元・立川グランプリ出場への目標を語った奥井選手。まだまだ向上を目指す奥井選手の熱い声をお届けします!

一走一走力を出し切るレース、走りで心を伝えるレースをしたいってずっと思っています!

-500勝を達成した時はどんな心境でしたか?

「節目の勝利はそんなに気にしていないんですけど、今回はファンの方がわざわざ前橋に来てくれていて、しかも初日に2着だったので、『これは一泊させちゃったっ!?』と思って、2日目に絶対に決めなければと思いました! 改めて、こうやってファンの皆さんに支えられて500勝を迎えられたんだなって感じた節目の勝利だったので、今までの節目とはちょっと違いましたね」

-目標でしたか?

「500勝というのは気にしていないというか、それよりもタイトルを獲りたいとかそういう気持ちの方が大きいですね」

-ガールズケイリンは今年大きく変わりますからね。

「そうですね、GIみたいな形ができるし、制度が変わって、やっぱり3日間しっかり勝ち上がって優勝するには実力がないとムリだと思うので、お互いに切磋琢磨というか、どんどんレベルアップしていくのではないかと思います」

-ガールズ選手は普段はトーナメント形式ではないので、そこは考え方とか変えるの難しいのではないですか?

「いやー、難しいですね。サマーナイトフェスティバルに近いと思うんですけど、やっぱり同じ3日間の重みが普通開催とは全然違うというか、1日、1日の重みが違いますよね。気持ち的にも体力的にも消耗する3日間だから、それがGIとしてできることは価値があるというか、いい変化だとは思います」

-今年の目標は?

「昨年、ガールズグランプリに出場して、でも、正直…後半きつかったので『これはもうこれが最後のガールズグランプリかな』って思ったんですけど(笑)、やっぱり久々にガールズグランプリを走って、『やっぱりこの舞台っていいな。走れて幸せだな』って思ったし、『また走りたいな』って思ったし、今年は何せ地元の立川が舞台ですからね。何年か前の立川のガールズグランプリに出場した時に、地元で今までで一番大きな声援を送ってもらって、それが自分の心にすごく響いて、選手をやってきてよかったって思うくらいの声援だったので、もう一回味わいたいっていう気持ちではいます。なかなかうまくはいっていないんですけど、そこを目標に、気持ちをもって頑張りたいです!」

-今はどんな練習をしているんですか?

「バイク練習が多いですね。やっぱりトップスピードがなかなか自分の追いつけないところなので、そこをバイク練習であげたいと思っているけど、なかなか難しいですね。

 私もバイク練習の引手をちょっとしたんですけど、『こんなんムリ!』って(笑)。できる人すごいなって思いました。お互い選手同士でやるので、お前もやれって言われて、やってみたんですけど、…まぁ、センスはなかったですね(笑)。皆、簡単そうに引いてくれるからと思ったけど、実際にやってみたら、間隔を見ながらバイクで引くって本当に難しいです。逆に自分でやってみて感謝の気持ちが増しました。『いつも上手に引いてくださってありがとうございます~』って思って練習しています(笑)」

-500勝までの道のりを振り返っていかがでしたか?

「思い返すと、初勝利が初優勝(2014年名古屋)だったんですけど、それもすごく自分らしいスタートだったというか、デビュー戦がけっこうボロボロで、その名古屋の開催も4着、3着で、7番手で勝ち上がって無欲の勝利というか、そういう部分では思い出深い初勝利から始まって、そこからはガムシャラにやってきたから、いつが100勝とか、あまり自分の中にはなかったですね。

 でも、自分が上手くいかなかったりとかしてきて、年々、1勝の重みや嬉しさというのは感じてきているかもしれないですね。500勝って改めて振り返ると『頑張ってるな』って思います(笑)」

-奥井選手の競走のポリシーは?

「一走に全てを出し切るところはポリシーかもしれないですね。それが自力を出すこと、出し切ることにつながっているというか、出し切れば人に伝わるものってあるじゃないですか。人の心を動かすレースがしたいっていうのが、一番大きく心の中にあって、そのために一走、一走で全てを出し切る、そうじゃないと見ている人には伝わらない、それは自分の中にあるかもしれないですね」

-それは奥井選手のレースを見ていたら伝わります。

「私の中では村上義弘さんの走りで、そういう選手になりたいというのは常々目標じゃないけど思っていますね。だから、『走りを見て元気をもらいました』って言われるのはとても嬉しいですね。もちろん車券で喜んでもらうことがプロとしては一番かもしれないけど、それにプラスアルファです」

-デビュー時と、今とで変わったところはありますか?

「うーん、難しいですね。競輪への熱い想いは変わらず、より増している部分は大きいですし、どこが変わっただろうか、難しいですね」

-でも、ずっとモチベーションを高く保ち続けられていることは素晴らしいですね。

「だから頑張れているんでしょうね。でも、それは色んな選手と話をさせてもらっていて、それを他の選手から感じたりとか、平原(康多)さんだとか色んな強い選手から感じています。四日市でも浅井(康太)さんと話して、何年経っても、私よりもずっと選手生活長いのに、ずっと向上心を持っていてすごいです。武田(豊樹)さんも自分よりも若い人に話を聞いたりしているのを見て、やっぱりすごいな、だからずっとトップでいられるんだって思って。そういう色んな選手の話を聞いて、自分の刺激にできているところはありますね。

 あとはガールズグランプリを獲れてないから、そういう目標があるから、上を目指し続けられているというか、それも1つあるのかなって思います」

-まずは目の前のGIですね。

「そうですね。自分じゃ獲れないって思っちゃうんですけど、それじゃだめなんだって昨年のガールズグランプリですごい感じました。私は気持ち的に獲る準備ができてなかったし、あのメンバーの中で勝てると自分で思い切れてなかったというのがあって、イメージできてなかったから、だから、ああゆう場面で力んでしまったし。自分の実力なんてどうでもいいから、自分は勝てるって信じる気持ちが大事だと思いました」

-ファンの皆さんへメッセージをどうぞ。

「500勝をわざわざ現地に見に来てくれて、改めてファンの存在の大きさを感じた節目の1勝でした。いい時はもちろん、悪い時も変わらず応援してくれるファンの皆さんがいて、今の自分がいるんだと感じられました。また、ファンの皆さんのためにも頑張りたいと思っているので、これからも応援よろしくお願いします!」

奥井迪(おくい・ふみ)
東京・106期・L級1班 身長167.3㎝ 体重69.7kg

Q500勝の自分へのご褒美は?

「全然ないですね(笑)。でも、この間、猪子真実さんが500勝のお祝いってフランス料理をご馳走してくれました! それがすごく嬉しかったですね。それが人からもらったご褒美、自分でっていうのはなかったです(笑)。一緒に走ってきた仲間というか、500勝してきた中で色んな人に出会って、それが走っていてありがたいですね。そういうのも自分にとって重要な部分ですね」

この記事をシェア

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE

related articles