500バンクでのレースは打鐘から始まります。このルールになってから数年経ち定着はしています。しかし特別競輪GII以上では自力選手が格段の力を持っていて、スタートを取ってから下げるとノーチャンス。大ギアもあり1周全開での仕掛けでもゴールまでもつ選手は多くいます。ゆえに並びを決める駆け引きは打鐘からその4コーナーまでです。一度の動きで位置が決まっていく。それに加えて500バンクはもがく距離自体も短い。度胸がレースを決めるシーンも多くあります。そして何と言っても共同通信社杯は一次予選、二次予選は自動番組。そして二次予選は一次予選のレース順と着位での振り分けになっています。一次予選の組み合わせを誰と何レースにするかの決まりはありません。番組委員が想定着位で二次予選を組む事は可能です。想定と違う着位は当然あります。本命としてレース順を並べても着位は変わって来る事は多いです。その結果、二次予選A12Rの様な組み合わせが出て来たのです。二次予選ではAが5着まで、Bが3着までの勝ち上がりです。Bは幅が狭いが勝ち上がりは楽です。二次予選も一次予選の着位や組番でなく、選考順位で振り分ける方が公平と感じます。その上で二次予選の勝ち上がりが一つの方が公平感が出ると思います。そして現代の競輪は地区を重要視した並びになっています。若手の登竜門と言われる大会であり、それが言われ続けてます。しかし近年は地区の引き出し役でしか若手はありません。競輪がケイリンのルールに近づけてきた結果と思われます。
準決勝10Rは太田海也が先行。番手松本貴治が離れ松井宏佑がハマり南関が優位にレースが流れました。ここも太田が実戦を離れている事があり、競技と同じく単騎の様なレース運びが松本の離れになりました。そして脚を溜めていた北津留翼が伸びました。松井の番手深谷知広も良く伸び1 着。
11Rここは眞杉匠が大胆なレース運び。いつもと同様に勝負強さ、レース運びの上手さを発揮しました。まさに制圧です。12Rは思いもしない展開。北井祐季と町田太我との先行争いを佐々木悠葵が更に上を行き、最終的に古性と思っていましたが、町田と佐々木の先行争い。北井は後方7番手の展開でした。500バンクで7番手は致命的です。いつもの強気な攻めが見れなかったのは残念でした。
そして迎えた決勝は4分戦。古性、南の近畿ライン。眞杉、恩田の地元関東勢。郡司、深谷の南関勢。そして山崎、北津留、荒井の九州ラインでの決勝です。
展開予想
スタートは眞杉。そして古性が入り郡司。後方が九州ラインと考える。眞杉は前々自在に先行も出来る強みがある。先行は後方に構えた九州ライン先頭の山崎になる。南関勢は郡司が深谷の前だが、先行ではなく早めの捲りを選択するだろう。山崎がカマし気味に来れば眞杉がタイミング合えば飛び付きもある。そこを郡司が早目に行くイメージです。古性は眞杉が打鐘で下げそうなら斬っての飛び付きもあるが、眞杉が踏み込むなら待つ。若干受身になる。眞杉が飛び付き取り切りレースを優位に進める。
車券的推理予想
1-6-29 1=2-659 2=9-15 1259BOX
レース結果 1-2-6 70.5倍(14番人気)
レース経過
スタートは九州ライン以外は取りに行ったが、内枠を活かした眞杉が取り以下枠通りのスタート順で周回。赤板過ぎに7番手の山崎が動き出し、それに合わせて古性が踏み込む。この時に眞杉が古性の動きを阻止するかと思ったが、下げた。そして後方になった郡司が一気に山崎を叩く。この時に古性は荒井を飛ばし北津留の後ろに。その北津留が2コーナーから仕掛ける。それと同じぐらいに万事休すとなった眞杉が仕掛ける。タイミングが合い苦しい展開と思われたが、バックで内に入り古性の後ろに位置した。その流れで古性の仕掛けに乗り、古性を交わし優勝。眞杉らしい技と脚での決着。劇的な勝利だった。
今シリーズは500バンクで難しいレースも多かった。それだけに総合力の高い選手が結果を出したと思います。やはり500バンクの重要な位置決めが短い距離で決まる事で、選手もそれに対応するのに苦労したと感じます。 そして縦脚重視の競輪になっては来ていますが、最後は横のテクニックが勝敗を分ける。 それが競輪の醍醐味でもあると改めて感じた一戦でした。