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車券推理の極意 2023小倉競輪祭「決勝」
解説&分析 2023.11.29

車券推理の極意 2023小倉競輪祭「決勝」

#レース予想の極意

今年もこの季節がやって来ました。純粋に競輪祭のタイトル争い。そしてグランプリシート争いです。ここ最近はどちらかと言うとグランプリシート争いに注目は集まってはいますが、競輪祭のタイトルはとても重要だと思います。その年のファイナルとして1億円を懸けてのレースに参加出来るか。そして来年のS級S班として赤いレーサーパンツを履くかは大きな違いが出て来ます。ただ年月が過ぎるとノンタイトルのグランプリ選手は忘れ去られていきます。タイトルを奪ってこそのグランプリ選手だと私的には思います。

今年は古性優作が3つのタイトルを獲り、ダービーの山口拳矢、オールスターの眞杉匠で、3名のタイトルホルダーです。賞金での出場枠が多いグランプリになりました。そしてそのグランプリシート争いも優勝者は別として、ランキング13位までの選手が決勝2着までが条件となり、例年の様なグランプリシート争いではありませんでした。

競輪祭の一次予選は2走制のトライアル。ここで注目されたのは今年飛躍した犬伏湧也でした。初日1R1 番からのスタートでしたが、突っ張り先行からではありましたが、まさかの大敗を喫しました。2走目も波に乗れず。そしてそれ以降も気持的なものか苦しみました。犬伏のタイトルは来年に持ち越しです。代わって太田海也が若手からの躍進となりました。ナショナルチーム所属で出走の機会は少ないですが、8月のオールスターでも外連味ない走りを披露し、これまでのナショナルチームの選手達とは一味違う走りでした。競輪選手っぽい走りです。それはこの競輪祭でも同様でした。

二次予選、準決勝は圧巻の捲りで未来を感じさせ、そして決勝入りです。優勝すれば史上最速のタイトルホルダーの誕生です。

準決勝を振り返ると、10Rは松井宏佑の打鐘先行。寺崎浩平の早めの仕掛けを凌ぎ、そして眞杉の捲り。番手郡司浩平の援護も大きかったですが、松井強しの印象でした。1着にはその南関ライン3番手の簗田一輝が内から伸び848,700円の高配当。GⅠ準決勝でここまでの配当は記憶にありません。簗田の動きは連日良かった事は確かでした。

11Rは新山響平の突っ張り先行から始まりましたが、車番的に太田が北日本の後ろになり有利な位置で、それを活かし最後にしっかり仕掛けて逃げ切りました。太田の伸びしろはまだまだあるとも思わせる所もあり、今後が非常に楽しみと思えた走りでした。

12Rは細切れ戦。いいタイミングで仕掛けた選手が勝つ。そんな印象のメンバー構成でした。注目の脇本雄太は終始後方で、スタートを取った深谷知広がそのまま先行。そして脇本が打鐘で仕掛け、深谷ともがき合い。深谷が叩かれてたか、それとも3番手を獲りに行ったかは判断つかないですが、結果として3番手に入りそこから伸び1着。逃げた脇本も流石の走りでした。

決勝メンバーは脇本、南修二の近畿ライン。太田、松浦悠士の中国ライン。そして南関ラインは深谷先頭で、松井、簗田の並び。深谷がグランプリを見据えての選択か。眞杉、北津留翼がそれぞれ 単騎の戦いです。

展開予想

まず太田は先行で勝負があり、次に深谷がそれに対して出さないレースをするのか。それとも準決勝同様に3番手も考え両面作戦かです。深谷が一番読み辛い。脇本はその様子を見ての仕掛け。単騎の眞杉は前々に動き最終的には自力勝負。北津留は一発勝負と読む。その結果、スタートは脇本ラインで、その後ろが太田ライン。そして深谷ライン。最後方が北津留。眞杉は脇本ラインの後ろか、太田ラインの後ろで周回。まず深谷が動き、そこに太田が叩きに行く。その時に深谷の判断であるが、太田がライン2車で早めは考えにくいので、深谷もかなり踏み込むと考えられる。その時に太田の仕掛けが鈍いならそのまま先行。太田のスピードが良ければ3番手。眞杉が付いて来ても、タイミングにもよるが3番手選択。太田の先行で4番手では苦しい。叩き合いになれば脇本優勝。3番手深谷なら、松浦と差し比べ。深谷先行なら、松井か脇本の優勝と感じる。

車券的推理 1-9-2473 1=4-967 2=3-457 2=7-53 4-6-719

結果   7-4-2 187.5倍(71番人気)

レース経過

スタートは中国勢がとり、南関ラインが続く。そして単騎の眞杉。脇本ラインで、 最後方が北津留の形で周回を重ねる。後方の脇本が動き深谷を抑え込む。深谷は下げ脇本が中団 に入る。太田が先行なら絶好位になるが、そのタイミングで深谷が赤板過ぎの先行体制。その後ろにすかさず眞杉が位置し、前受けの太田が入る。必ず太田が先行と考えていたが、先行ではなく捲り狙いだったと思う。南関ラインの松井が優勝すれば、グランプリで深谷が優位になるが、太田が優勝すれば中国勢が優位になる。それで松浦がそう仕向けたのかも知れない。そして打鐘4 コーナーから8番手の脇本が仕掛けるが、太田がそれを見ていた。この事で中国勢の作戦は最初から捲り狙いと感じた。満を持して太田が2コーナーから仕掛ける。そして松井が番手捲り。この時に南関ラインを追った眞杉も捲り気味に動き松井の番手を簗田から奪う。この動きで外に張らされた太田が不発に終わる。4コーナーから眞杉が松井を交わし優勝。

今シリーズは非常にスピード溢れるレースが多く見応えもありました。その中で太田の存在感は夏のオールスターより大きくなりました。これからの活躍が楽しみですが、ナショナルチーム在籍で中々競輪に参加出来ないのは残念です。そして優勝した眞杉は今年2つ目のタイトル。今回は自ら獲った。これで本物になったのではないでしょうか。

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