共同通信社杯は後半戦に向け重要な一線です。それは勿論グランプリへ向けてです。
今年は青森での開催です。私自身選手を辞めてから初めて青森に来ました。2センターの迫力あるスタンドが無くなっているのは少し寂しくは感じますが、それ以外は何も変わっていない懐かしい風景です。 私達の時代は毎年と感じるぐらいGⅠが開催されていました。しかし今回はGⅡではありますが、 14年振りのビッグ開催です。そしてこの青森バンクは極平均的なバンクですが、スタンドが無くなり、北風が吹けばバック向かい風の傾向は強くなっています。先行選手には厳しいバンクです。
しかしまだその季節ではない。ただこのバンクは少し重いバンクです。
そして今シリーズは二次予選までは自動番組です。組み合わせの運、不運はありますが、選手が真価を問われる事もあるでしょう。
初日一次予選の番組を見ると佐藤慎太郎に目標がなく、佐藤がライン先頭で3車並ぶコメントでした。追い込み選手がライン先頭で3車並ぶのは違和感があります。ライン優先は分かりますが、最初から勝ち上がりの可能性が低い位置を選択するのは疑問を感じます。別線勝負で良いのではないか、です。
そして平原康多が久々にライン先頭の組み合わせです。他ラインにも本格先行が見当たらず、難しい一戦でしたが、平原がスタートを受けて立ったので、位置が取りづらく打鐘からの先行です。調子の良い時でもゴール前の失速は目立っていたので、平原はなり行き先行とは言え辛い形でした。そしてあっさり捲られ敗退でした。
どちらも普段は誰かしらの目標がいます。 しかし今回は自動番組で現状の力が浮き彫りになりました。どちらも峠を過ぎているので仕方ないですが、これは今のシステムが上位陣に優位な事が影響していると思います。それが新しい風を遮っていると感じました。
しかし今年その壁を破る強風とも言える風が、ようやく流れています。 ダービーでの山口拳矢の優勝。これはラッキーな部分がありました。そしてオールスターでは若手の活躍が目覚ましかった。そこにはシャイニングスター賞のアクシデントも手伝ってはいますが、若手の台頭は目覚ましいです。
そして迎えた共同通信社杯です。今回も犬伏湧也の力は抜き出た存在です。
そして圧巻の準決勝を作った嘉永泰斗です。前走の選手が上昇ラインを追わず予想外の展開になったのにも関わらず、落ち着き払ってました。最悪の9番手です。そこから見事に捲り切っての1着です。
地元・新山響平も赤板先行で準決勝を突破。見事な先行力です。
その他にも多くの若手選手が育って来た印象を持ちました。
出揃った決勝メンバーは新山、嘉永が単騎となり、渡邉、深谷の静岡ライン。佐々木豪、清水裕友、隅田洋介の四国中国ライン。三谷竜生、南修二の近畿ラインの構成になりました。注目される新山、嘉永が単騎の戦いです。
展開予想
前受けは渡邉、深谷の静岡勢。番手深谷が混戦に弱いため、渡邉の突っ張り先行と考える。そこに1番車を活かして新山。これは新山にとって救いの1番車でした。後は枠なりに四国中国ラインが続き、近畿ライン。そして嘉永が最後方で周回と読む。まず三谷から動くが当然渡邉が突っ張る。落ち着いたところで佐々木が渡邉を叩きに行く。それに合わせて深谷が早目に出る。清水も外並走から捲りを放つ。後方であった嘉永が一気に爆発させ捲り。この時に新山が被っていなければ、新山は絶好の位置になる。しかし新山は横の動きに弱いので、先に引いて嘉永の前後にいるかも知れない。何にしても単騎のレースを苦にしない嘉永が本命です。
車券的推理予想
5=2-3419 5=1-2349 5=3-1246 1=3-5269
結果 2-1-6 367.5倍(125番人気)
レース経過
前受けを三谷が選択。そして静岡ラインで、新山。その後ろに四国中国ライン。そして嘉永で周回を重ねる。まず佐々木が上昇し、渡邉の横で止まる。そして赤板で一気に佐々木が仕掛ける。嘉永がこの動きに乗るも、三谷が前受けから4番手まで下げて来たので、嘉永が少しためらった。出切った佐々木が少しペースを落とした瞬間に、渡邉がすかさず佐々木を叩いた。それを追う形から新山が一気にスパート。そこに切り替えていた嘉永だったが、清水に阻まれた。その結果後続をちぎり独走態勢。渡邉が追う形になるが、少し新山と距離があり新山の優勝かと思いましたが、新山の後続が千切れた事がありペースでなく全開で行ったと思う。それでゴール前は失速。渡邉の番手深谷が仕掛け、新山を一気に捉え優勝。惜しくも新山は2着。3着には隅田が入った。
レースとしては非常に面白いレース展開でありました。地元・新山は優勝を逃したものの、しっかり見せ場も作った。本来であればラインの競走をしたかったとは思う。
優勝した深谷は実に9年振りのビッグ優勝です。ナショナルチームに在籍した時期もあり、少し遠回りしたとは思います。力的にはGⅠも狙える存在だが、ここ最近のレースっぷりは展開が向く時は強いが、そうでない時はもろい面が目立ってます。この優勝を機に対応力も身に付ければ、新たなるタイトルも取れると思います。
共同通信社杯は何と言っても自動番組が結果を左右します。運、不運もありますが、戦法の幅を求められる大会でもありました。