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車券推理の極意 2023函館サマーナイトフェスティバル「決勝」
解説&分析 2023.07.19

車券推理の極意 2023函館サマーナイトフェスティバル「決勝」

#レース予想の極意

ナイター発祥の地、函館にサマーナイトフェスティバルが帰って来ました。2日制からスタートしたこのシリーズも、ガールズも加わり3日制になり重要度も増しました。以前は2日制でオール予選1着取り。その事で運の要素も強く、選手も名の通りフェスティバル感がありました。しかし現在では、ほぼフルメンバーで参加選手も少なくないため、激戦で他のレースに影響を及ぼす可能性が高くなり、しっかりと調整して入って来る選手も増えました。

勿論今節のシリーズリーダーは脇本雄太です。その脇本を苦しめる筆頭は犬伏湧也になります。ここ最近のGⅠでも犬伏が力を付けて来た事は目に見えて分かります。それに加えてライン形成の可能性が高い松浦悠士も前走の小松島記念で完全復活の様相でした。

その他の核となる選手達が調子を上げて来ている中での、このシリーズです。

初日、犬伏はやはり強かった。脚を使わせながらも力で1着です。現時点では脇本には敵わないものの、近い将来にねじ伏せる日が必ず来ると感じさせるレースっぷりです。脇本との違いは強引にでもレースを作る所です。その点は脇本より上です。その両者は準決勝で同乗しました。ただそこに同型の菊池岳仁に、松井宏佑も同乗。どちらも調子を上げて来ているために、犬伏にとっては主導権争いは避けられないメンバー構成でした。その結果、脇本に展開が流れました。

そして決勝メンバーが決まりました。凝縮された準決勝であったため、ライン的に決まらない結果でした。 そのために決勝はライン的な並びは関東のみです。脇本にもラインが出来ますが、松浦、山田英明と混成ラインです。後は単騎自力タイプです。関東先頭の佐々木悠葵は自在タイプ。他に先行選手がいない時と、隙を突いての先行のみです。対する脇本は強力な先行力はありますが、受けて立つ事が多いため、基本捲り選手です。本格先行不在の決勝戦です。

展開予想

スタートはいつも通り脇本が出る。このレースは必ず前を取ります。何故なら佐々木は本格先行でないが故に、駆け渋ります。駆けたとしても駆け慣れていないので、押さえ先行ではかからないからです。その後ろに車番を生かして新田。そして関東勢で、単騎の松井、山口拳矢と続きます。単騎の選手の中で一番位置取りにこだわるのは新田で、次が山口になります。その結果単騎の並びは、新田、山口、松井の並び。展開上入れ替わることは多少考えられますが、レースが動いてからの並びはそうなると思います。まず佐々木が動き、脇本を抑える。脇本は7番手まで下げる。脇本は佐々木ならいつでも行けると思っているでしょう。佐々木の番手の平原康多も出来は良くない。番手から出ても上を超える事は容易いと考えています。中団の単騎の選手が先捲りしても、引き出して貰える。脇本にとっては好都合な事ばかりです。脇本が仮に最終ホームから行くとしても単騎の選手は行って2コーナーからになるので、邪魔は入らない。ホームで行くのが得策になります。ただこの場合、脇本目標の松浦は完全復調とも言える動きです。交わしが脳裏に出て来るでしょう。駆け渋ると単騎の仕掛けの不発の煽りを受ける可能性は出て来ます。ただ確率は非常に低いです。単騎の選手は関東勢を楽に捲る力を持っているからです。その単騎の選手も乗り越えやすい展開であり、力も脇本が上です。このレースは脇本はどこからでも行けるレース。そして展開も自然に流れて来るでしょう。そして松浦が抜くか抜かないかが基本です。そして余程遅めの脇本の仕掛けのみ、サンドイッチがあるかなと思います。

車券的推理予想 1=2-59378 1-5978-2

 結果

2-1-7 43.2倍(10番人気)

レース経過

前受けは関東勢が選択。そして単騎の新田、松井、山口と単騎の選手が続き、脇本ラインで周回。赤板前に脇本が抑えに行かなかったので、佐々木がそのまま先行態勢。脇本はこの時点で仕掛けていたが、タイミングが合い少し出が悪かった。先行した佐々木が予想以上にペースを上げたので、所々車間が空く。少しはその事で脇本は行き易くなった事もある。そしてホームで脇本が出っ切る。脇本ライン3番手の山田が離れ、そこに上手いタイミングで松井が追い上げた。 脇本の仕掛けが早く、松浦の交わす可能性が高まった。候補から立ち遅れた感のある新田が仕掛けたが、脇本の先行に迫る事は厳しい。後は松浦が交わすか交わさないか。3番手にいた松井が早めに踏んだが、番手松浦は遅めに抜きに行った。そして交わしての優勝。

脇本がなぜスタートを取らなかったのかは、脇本のシリーズの流れや、メンバーによる展開予想が甘い事から来ていると思います。スタートを取っての捲りなら、松浦を振り切って優勝していたでしょう。その辺は脇本の課題でありますが、それを意識しているかどうかと、意識して取り組むかは本人次第かなと思います。それが出来れば、最速から最強に変わるでしょう。

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