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車券推理の極意 第1回パールカップ
解説&分析 2023.06.21

車券推理の極意 第1回パールカップ

#レース予想の極意

高松宮記念杯にガールズケイリンGIパールカップが組み込まれました。
初のガールズGIになりますが、私には久々に戻って来たと言う感想です。高松宮記念杯は過去大津びわこ競輪場で固定開催されていた事はご存知と思います。その大津びわこ競輪場は私のホームバンク。数々の歴史が刻まれたバンクでもあります。大津びわこ競輪場は近江神宮の参道脇にあり、その近江神宮は西暦667年に天智天皇が大津京を還都した事から来ています。そして高松宮様が参道脇にあった大津びわこ競輪場に賜杯の下賜して頂いた事から、高松宮記念杯へと繋がっています。そして宮様がびわこ競輪場でレースを観戦されていました。大津びわこ競輪場には宮様の部屋がありました。私も何回かその部屋に入った事があります。そこには歴代の高松宮杯(当時)を制した優勝者の写真が飾られていました。高松宮妃賜杯の歴代優勝者の写真もありました。女子競輪も開催されていた訳です。特別競輪GIのタイトルが既にあったと認識しています。故に今回は久々の開催と言う感覚が私にはあります。

男子同様に準決勝まで東西に分かれての勝ち上がり。準決勝まで見る限りでは、男子同様に西高東低。
西は児玉碧衣がスピードを見せ、完全復調をアピール。特に予選はホームカマシ先行で他を圧倒。上がりタイムも群を抜いていました。以前とは違う別の強さも感じました。
東は久米詩が連日の先行逃げ切り。ただメンバー的に先行選手がいなく、持ち前の自在戦でありませんでした。その事を差し引くと、立派なレース振りです。
準決勝には王座戦の名目はありませんでした。 しかし、表彰式があり、それを見る限りでは東西王座戦の認識になります。西女王は児玉碧衣。東女王は久米詩。


勝ち上がりを見ていると、ガールズは普段は力のある選手同士の対戦はほぼありません。そのため戸惑う選手も多く展開負けの選手も多く存在しました。ただ今後はこの様なレースが増えて来ると思われ、それに対処して行く事がタイトルにつながって行きます。この両者の他に目に留まった選手は小林莉子です。ガールズケイリンでは競りは御法度ですが、小林はその中でも位置取りで右に出る者はいないと思わせていました。伸び脚も十分で、安定度は非常に高いレベルです。

そして迎えた決勝です。やはり児玉が一歩も二歩もリードしています。ただ久米は東に先行選手がいなかった事で、先行で戦っていましたが、本来は自在にレースを進める選手です。決勝では西で勝ち上がった坂口楓華がいます。坂口は決勝メンバーで群を抜くバック本数です。その事が決勝では重要になって来そうです。

展開予想

児玉が1番車だが、過去この1番車を嫌った事もある。今回はこの1番車を活かせるか。スタートは児玉が取れば、ほぼ車番通りの並びになると思う。一番先行しそうな坂口は6番車で、他の選手が先行を嫌うと考えているなら、前に位置する必要もないので、そのまま6番手。それなら7番車の那須もそこに続く。スタート出るとしたら荒牧がその流れを嫌い出るか。誰も来なければ児玉が前受けからだが、その場合久米が切り、坂口を迎え入れる。そこに小林が続く形。これが一番の児玉ピンチパターン。久米の捲りが見られてないだけに児玉にとっての不安要素につながる。その展開でも児玉が久米を乗り越えるなら、もしくは早めに叩き逃げ切るなら、これから先は児玉の天下かも知れません。今回参加していない佐藤水菜も、勢いで寄せ付けないでしょう。展開は先行坂口。中団久米。後方から児玉が巻き返す流れ。後はタイミングになるが、それは児玉次第です。

車券的推理予想  1=2ー364  1ー3ー246  2ー3ー614

結果 1ー2ー6 12.2倍(2番人気)

レース経過

スタートは荒牧が出て那須が続き、久米。その後ろに柳原。そして児玉に小林が初手から追走。 最後方に坂口で周回。小林が児玉に行った事で、柳原が久米に標準を絞った様に見えた。一番先行の可能性が高いと思われた坂口に車番が並んでいる那須が付けると思ったが前々に行った事が、少し勿体無い様に見えた。そして久米が後方を警戒し車間を切る。後方にいた坂口が上昇するが、児玉は反応せず。坂口も少し早めに動いたので少しタイミングを測る。久米は坂口に飛び付き態勢で前団の荒牧を切りに行く。これで坂口先行久米番手になると思った。しかし児玉が一気に坂口を叩く。番手に居た小林が先行態勢の坂口と絡み落車。小林に余裕が無いぐらい児玉の踏み出しが良かった結果の落車。これで後続が離れ、児玉の独走態勢。初日も同じ様な走りから好タイムで1着だった事で、勝負はこの時点で決したと感じた。見事な先行でガールズGI初代女王に児玉が輝いた。

東西別れての準決勝までの戦いだったが、児玉が初日のカマシ先行でシリーズを支配した。それが全て。児玉自身は昨年のグランプリでの落車骨折から、今年は欠場からスタート。復帰するもキレを感じなかった。そして徐々に1着量産態勢に入るも、まだまだ本来の走りでは無かった。その中で迎えたガールズ初開催GI。初日のレースで周囲の雑音を一蹴した。それどころか以前よりもケレン味が無い。辛い時間を経て児玉の意識に変化があったのか。

以前の児玉よりも、今の児玉には隙がない。このまま化身の如く突き進めば、今回参加していない選手も寄せ付けないだろう。

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