現状、競走得点は68点しかない、チャレンジのベテラン選手だが、S級1班まで登り詰めている。超一流のマーカーではなかったが、温厚な性格で、S級でも優勝経験がある。「あれは、廃止前の大津びわこ競輪場。金山栄治さん、渡邉泰夫さんの近畿勢の3番手から突き抜けた。500バンクが味方して直線で突き抜けたレースです。あと、思い出のレースは、川崎の準優勝。オール2着で、亡き手島慶介さんが捲ってくれました」。才能あふれた選手ではないし、これも努力と工夫の賜だろう。「まだ大ギヤブームの前で3.57が主流。トレーニング方法とか自転車の乗り方を考えて、早い段階で3.85を取り入れた。ギヤの差があったから、周りより有利にレースを運べたし、あれが競輪選手としてのピーク。ただ、山崎芳仁君とか、強い選手達も、大ギヤを乗り始めた。それでギヤのメリットはなくなったけど、あの当時、真っ先に4.33とかにしていれば、もう少し、良い思いが出来たかもしれないですね(笑)」。
選手もセカンドキャリアを考えて、色々な資格に挑戦している。柔道整復師、大型2種免許、ボイラー技士など多岐に渡っているが、投資家で成功している選手もいるそうだ。「僕の場合は不動産の宅建免許。10年前に取得したけど、選手は時間があるので。不動産屋を開業とか考えていないけど、選手も10名以上、持っていると思いますよ。静岡の飯田憲司君は、元々不動産屋に勤めていたから選手になる以前。他には栃木の早坂道義君とか埼玉の茂木和臣さん。茂木さんとか、わざと、おちゃらけているだけで本当は頭脳明晰。高校も熊谷西高校で進学校ですから。宅建の合格率が18%ぐらいで、ガールズの田口梓乃さんが持つ行政書士が約13%。もっと難しい資格を持っている選手がいるのか、今度調べてみて下さい」。子供も小学生と中学生で、55歳までは選手をやりたいそうだ。「まあ、その確率も5割ぐらいかな。真面目に練習をやっているけど、70点を取るのは本当、厳しいですから」。ガツガツした性格ではないが、地元に限ってはリミッターを切り走っている。それが、今節、大穴を出した要因だ。