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編集部コラム「KEIRIN On My Mind」
特集 2023.01.25

編集部コラム「KEIRIN On My Mind」

午後2時すぎ。いつものようにラーメン屋に顔を出すと、店主のマサさんは椅子にもたれて、腕を組んでうつらうつら。店の前にある自販機でブラックコーヒーを買い、マサさんの机に置くと、気づいたのか、少し目を開けた。お疲れの様子ですねと声をかけると、うーん、と伸びをした。なんでも、今日は無料ラーメンの振る舞いがあり、用意した100杯を2時間で作り切ったとか。「いつも、このくらいは来てほしいね」と言うけど、競輪をやりながら、のんびり営業はできなくなってしまいますよ。

で、競輪の話。昨日、常連さんと最近、和歌山の自力選手がいいよねという会話をしたという。稲毛健太、中西大、石塚輪太郎、南潤は確かにこのところいい。この時期、毎年1月に地元記念があって気持ちが入るからなのか、海に近いバンクで寒風の中、鍛えているからなのかとも思ったが、昨年はそうでもなかった。

常連さんの独断的推測では、中西と南は池田智毅の直接の弟子だし、稲毛と石塚もSNSを見ると、このグループで練習しているみたい。それが好調の要因じゃないかと。

年長者の稲毛は11月の地元戦で優勝。続く高松記念で決勝に勝ち上がっている。中西は師走の松戸ナイター記念で2着、1着、1着の勝ち上がりで決勝に乗り、続く豊橋で先行して決勝の2着。石塚は10月から5場所連続で決勝に進出し、暮れの広島記念も確定板を外さずに決勝に乗った。続けとばかりに一番若い南も年末年始のまたぎ開催の岸和田で、8月の立川以来、9場所ぶりに決勝を走った。

そして迎えた和歌山記念。一次予選、二次予選をこの4人はそろって突破して、今日は準決勝。おあつらえ向きのレースが10Rにあった。中西-石塚-稲毛の並びで、新田祐大、眞杉匠に挑む番組だ。

マサさんと私はさっそく作戦会議。石塚の2段駆けが決まると意見一致。石塚と稲毛の表裏をまず2車単で購入。3連単は2人の表裏から、中西を抜いた3着全通り。保険に2人のワイド車券も押さえた。

中西が逃げて、展開はその通りになったが、新田、眞杉に力負けして、地元3人の連係はうまくいかなかった。番手から出た石塚が眞杉と新田に吞み込まれると、アーッと絶叫する初老の男2人。レース後に顔を見合わせて苦笑い。

マサさんと意見が合って、勝負するとなぜか当たらない。そのジンクスは年が改まっても続くんだな。

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