平昌冬季オリンピック(2018年)のフリースタイルスキーモーグルで日本男子初となる銅メダルを獲得した原大智選手。その後、競輪選手養成所に入所し、117期としてデビューを果たしました。そこから二刀流で競輪選手として北京オリンピック出場を目指し、見事、それを達成しました。予選1を突破した時に競輪への感謝あふれるコメントを聞き、感動した競輪ファンも多いのではないでしょうか。残念ながら決勝に勝ち上がることはできませんでしたが、このオリンピックを最後に、モーグルを引退し、これから競輪に専念していくそうです。改めて競輪デビューする気持ちで挑んでいく原選手を応援したいですね。
-オリンピックの大舞台で、1回で準決勝に進んだのは見ていてすごかったです。
「大舞台に強いっていうか、最初は緊張しまたけど、やっていけばどんどん楽しくなりました。4年の1回の大会っていうより大きなお祭りだって僕は思っているので、オリンピックゲームっていうし、それを考えるとコンペティションではないなと思います。
オリンピックにいけてよかったです。最初はどうなるかと思ったけど思ってました。モーグルの人たちも、サポートしてくれる周りの人たちも『今回は厳しいんじゃないか』って思っていたらしいし、自分もどうなるかと思って、綱渡り状態でした。
僕としては競輪選手として、オリンピックに出られたことは、僕にとっては銅メダルを獲った時よりも嬉しいですし、誇りに思っています!銅メダルを獲った人は多くはないけどけっこういるし、その中の1人ではなく、競輪選手としてオリンピックに出たっていう1人目の男になれたということはすごく価値のあることだと思っています」
-北京オリンピックで、準決勝の走りは会心の滑りでしたか?
「1本目の準々決勝の走りと変わらなかったし、自己評価では(決勝へ)3位くらいで通過するだろうと思ったので…見事に期待を裏切られました(笑)。本当に採点競技は難しいなって思って、逆に競輪は1着でゴールした人が絶対ですからね」
-滑り終わったあとのコメントに競輪ファンは皆で感動していましたよ。
「さすがにわがまま言わせてもらったし、お客様に迷惑をかけたと思うので、それを含めての感謝からでした」
-選手の中にも、原選手のレースを見て感動していた人はいっぱいいました。
「新田祐大さんや松浦悠士さんも応援していたっていうツイートで見て、びっくりしちゃいました。S級S班の人がA級2班を応援しているってすごいことですよね(笑)。感無量でした!」
-モーグルは引退ですか。
「はい、もう未練なく引退しました。ここからは競輪に絞っていきます」
-ここからまた改めての競輪デビューになりますね。
「すごい緊張しています。競輪選手としてはまだまだなんで、ドキドキしていますね。このままで終わったらどうしようって不安はあります。S級にいきたい気持ちはありますけど、自分の能力がどのくらいなのかわからないから、そこが不安です。まずは先行して、先行のやり方を覚えて、力をつけていくことしか考えてないです。それぐらいしかお客さんに誠意をみせられないと思うので」
-S級を目標にですね。
「はい、競輪選手になったからS級にいくのは絶対にいきたい目標です。兄弟子とかも、練習ですごい強いのにS級戦で苦戦しているのを見ると、S級にあがって満足しちゃいけないと思うし、そこにあがってからが本番なのかなと思います。なので、ここから頑張ろうって思います! しっかり力を出し切りたいですね。でないとこれからやっていけないと思うし、そうじゃないと落ちていく一方だと思うし、お客さんに期待されなくなったら終わりだと思うので、期待してもらえるように頑張ります」
-原選手はメンタルも強い選手だなって思っています。
「そうでもないですよ(笑)。メンタルって自分で強いかどうかってわからないので。努力と一緒で、他の人からの評価なのかなって思って、僕自身ではメンタルが強いかはわからないですね。オリンピックの試合の持っていき方は上手いかなとは思うけど」
-あのオリンピックという大舞台で笑顔になれるのはすごいメンタルだと思いますが。
「あの時は楽しいからですね。逆に連戦とかの方が緊張するんですよね。そこをもって慣れていけば、もっと練習の力をレースでも出せるようになれるんじゃないかなと思います」
-競輪選手としての課題は?
「自転車経験がないから、全てにおいて基準値が低いので底上げしていかなければいけないなって思っています」
-これからは自転車と向き合ってですね。
「これから自転車と向き合って、強くなっていけるように頑張ります!
競輪ファンの皆さんを裏切らないように頑張ります!その気持ちだけです!」
1997年3月4日生まれ。身長172.9cm 体重80.4kg
Q.今度は競輪で応援される走りを期待されますね
「そうですね。それが野次されない唯一の方法だと思うので(笑)。野次が競輪の花って言われますけど、僕はやっぱり応援してもらえる方が力になるので。『次も頑張れよ』とか『いいレースだったよ』とか『また来いよ』って言われるとめちゃくちゃ嬉しいです!!」