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編集部コラム KEIRIN ON MY MIND
特集 2026.08.05

編集部コラム KEIRIN ON MY MIND

 ヨーロッパでは気温が40度を超える地域もあるとか。日本でも、ここ何年かは猛暑が何カ月も続くようになった。気持ちだけでも涼しくありたい。となれば、俺の脳裏に浮かぶのは函館競輪。今年8月から2027年7月まで、約1年をかけてバンクの大規模改修が行われる。今日7月10日を含め、本場開催は残り4日。もちろん行くのは、場外発売をやっている、いつもの競輪場だけどね。

 知っているだろうか。30年ほど前は、公営競技といえば日中開催が当たり前だった。それならばと、日が長くなる夏に発走時刻を遅らせ、夕方までレースを行う「薄暮開催」が登場した。日が傾き、少し涼しくなったころに勝負どころを迎える。俺が「薄暮」という言葉をよく耳にしたのも、このころだった。

 競輪界では、薄暮開催を「サマータイム競輪」と名付け、1985年7月に函館と広島で実施。函館ではその後も薄暮開催が続けられ、夜の競輪へとつながっていった。

 函館は夜開催に積極的で、1998年7月には業界初のナイター競輪を実施。やがて4月から10月ごろまで、本場開催の多くをナイターで行う競輪場になった。2019年からはミッドナイト競輪も開催している。冬には例年、バンク内が市民スケート場として使われてきたよな、確か。テレビのクイズ番組でも、よく問題にされていた。

 競輪場内のラーメン店に入ると、常連のタナカくんがいた。函館競輪のナイターうんちくを披露しようとしたら、タナカくんが「S級の決勝に出る松崎広太が、引き続きいいですね」と言ってきた。そうそう、そうなんだ。実はここに来た本当の理由は、茨城の123期、松崎広太が出場しているから。しかも2日前の初日から来ていた。

 

松崎は茨城の先行選手で、123期の27歳。2023年にデビューし、昨年1月にS級へ昇級した。ラインのための先行が基本で、ビュンビュン行くから結果が付いてこないこともあったけど、今年4月の静岡で8カ月半ぶりに決勝へ進出して準V。最後は犬伏湧也に捕まったが、先まくりで大健闘のレースだった。そのとき、ラーメン店で「まくったら強いな」とタナカくんと話したことがある。5月末からの松戸では決勝3着。そして6月の和歌山でS級初優勝を飾った。単騎戦で最後方からまくったからね。

 「172センチ、75キロだから、背格好は同県の吉田拓矢や栃木の坂井洋と似ているよね」と俺が言うと、タナカくんが「そうですよね。でも坂井はスプリンターで、松崎はアマチュア時代、中長距離種目でも実績を残していましたよ。だから吉田拓矢に近いかな」。人間の能力は、肉体も性格も、全てがぱっと見では分からない。

 

 函館の初日はまくって勝ったけど、中団の内に詰まりそうだったところから、外の選手をさばいて仕掛けていった。何か、ニュー松崎誕生だな。後ろの関東勢も連れてきて、3連単は、もろ一番人気の⑦④①590円。さりげなく当たったけど、浮かないよね。

 準決勝は前受けからの先行。4番手の新田祐大にはまくられたけど、後ろの神山拓弥を振り切って2着。3連単は②④①で3540円。100円だけ引っ掛かった。

 そして、今日の決勝メンバーは下記の通り。

 

 新田祐大が1番車だから、山崎歩夢が前受けから突っ張り先行なら、新田-阿部力也が人気の中心。ただ、パワー先行の町田太我がいて、山崎と踏み合うかもしれない。これって、松崎のまくり頃? しかも配当が付く。手広く買うことを思い立つ俺。

 想定通り、山崎が前にいて、そのまま先行。町田が上昇したけど、踏み合いになるという感じではなく、山崎がどんどん逃げる。松崎が4番手にいて、その位置のまま自分だけ届く競走なら当たっていたかもしれない。ただ、後ろに神山拓弥が付いてくれている。当然、仕掛けていくよね。行けって思ったけど……。新田の2段駆けが決まり、2着は阿部、3着は切り替えた山田庸平。3連単は①⑦⑤で640円。一番人気か。これは外れても仕方ないな。松崎は5着だった。

 でも、松崎の今後は楽しみだ。今秋には初のGⅠ・寬仁親王牌が控える。ラインのために走りながら、どこまでやれるか。オールラウンダーとなり、いつかタイトルを!

 車券は、ホップ、ステップ、そしてジャンプならず。俺も函館競輪同様に、1年かけて大改修しろって? 「もう手遅れだ」って、誰かが言ってらあ。

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