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第71回全日本プロ選手権自転車競技大会リポート
特集 2024.06.05

第71回全日本プロ選手権自転車競技大会リポート

#自転車競技

5月27日に高知競輪場で『第71回全日本プロ選手権自転車競技大会』が開催されました。雨の予報で、一部の競技は強い雨がりふましたが、ほぼ曇りという天気でした。

1㎞タイムトライアルで菊池岳仁選手が昨年に続き全プロ記録を樹立し、その他にも4mチームパーシュートで九州・福岡チームも全プロ記録を達成しました。

■ケイリン

ケイリンは予選、1/2決勝、決勝と勝ち上がると3本になるため、うまく力を温存しながら決勝まで進むことも重要になってきます。

決勝戦は、郡司浩平、松井宏佑、新山響平、山口拳矢、荒井崇博、山田庸平、眞杉匠というメンバーがそろいました。レースは山田、郡司、山口、荒井、松井、新山、眞杉で周回。打鐘4コーナーから荒井が先行し、最終バック前から郡司が捲り、それを絶好の2番手から山口が最後の直線で追い込んでいきました。松井も猛攻をみせましたが、山口が2連覇を達成しました。2着は松井。3着に郡司が入線となりました。

優勝・山口拳矢(岐阜)
「2連覇できてよかったです! 予選からちゃんと体力を温存して走れました。全力で3本はもたないですからね。」

2位・松井宏佑(神奈川)
「決勝、チャンスはあったんですけど見過ぎちゃいましたね。郡司さんが行って、スピード乗る前に叩けばよかったです。最後が一番出し切れなかったけど、しょうがないです。でも、ケイリン走っていて楽しかったですね」

3位・郡司浩平(神奈川)
「予選から決勝まで展開がよかったので、結果は上出来だと思います。決勝戦はもう少し引きつけてから行こうかと思ったんですけど、あまり引きつけていると後ろに強い人がいっぱいいるので、自分のタイミングで行って、差されたんでしょうがないです」

最終4コーナー過ぎ

決勝戦のゴール

表彰式

■スプリント

予選の200mフライングタイムトライアルは河端朋之が10秒283で一番時計をマーク。朝一の予選にはじまり、1/4決勝、1/2決勝戦、決勝と数多く走ります。500バンクのスプリント、(1/4決勝は1回戦のみ、1/2決勝戦からは2本先取制)3本目までもつれると脚を削られてしまいます。

決勝戦は昨年と同様に河端と雨谷一樹の対戦となりました。1本目は雨谷がカマしていったが、それを河端が捕らえ1本先取。2本目も河端が取り、昨年のリベンジを果たし、12年振りの全プロ優勝を決めました。

3-4位決定戦は逃げた福永大智を佐々木悠葵が追い込み、3位は佐々木となりました。

優勝・河端朋之(岡山)
「勝てて嬉しかったですけど、雨谷君も強いので、どっちが勝ってもおかしくないレースでした。雨谷は33の方が得意なんで500はちょっと苦手だからですね。僕も正直あんまり500のスプリントは感覚がわかんなくて探り、探りでした。(12年振りの優勝は)そんなに久しぶりですか(笑)。こそっとなのにもう1回優勝できるなんてすごいですね(笑)。でも、オリンピックに出る子たちが、こっちに出るようになったらさすがにもうかなわないと思います。本当にパリは期待できるんで!」

2位・雨谷一樹(栃木)
「優勝するつもりで来たけど、負けて悔いはないですね、出し切ったんで。河端さんが強かったです。(1/2決勝で3本走ったのが響いた)なるべく河端さんと戦う前に脚を使いたくないという気持ちが出てしまって、一瞬気を抜いたところで仕掛けられてしまいましたね。でも、また来年優勝できるようにリベンジして、1年間頑張ります!」

3位・佐々木悠葵(群馬)
「まだスプリント歴は浅くて、駆け引きはできないので、ちょっとずつ教えてもらっています。3-4位決定戦、福永(大智)との対戦は最初はやばいかと思ったけど、用意していたんで、ギアが皆より軽いんでそれがよかったです」

決勝戦、2本目のゴール

河端ガッツポーズ
表彰式

■1㎞タイムトライアル

昨年に続き菊池岳仁が優勝、しかも、2年連続の全プロ記録更新しました。タイムは1分3秒092でした。
2位は新田祐大(1分3秒334)
3位は村田祐樹(1分3秒960)
4位は北井佑季(1分3秒976)

優勝・菊池岳仁(長野)
「全プロ競輪の2日間がひどかったので、ここではちょっとくらいいいとこを見せたいと思って、優勝できてよかったです。全開で突っ込んでいって、あとはガマンするだけだと思っていて、バンクの状態もよかったからです。昨年の理事長杯は走っただけで何もできなかったので、今年はちゃんとしたいです」

2位・新田祐大(福島)
「目標としていた1分2秒か1秒で、出せなかったので悔しいですね。今回は1分3秒前半が勝負ポイントになると思っていたし、先に走っていた選手が3秒台を出していた、3秒3はちょっと厳しいかなと思いました。後半がちょっとタレ過ぎましたね。練習はしっかりしているので、問題なく走れると思っていましたし、この結果をふまえてまた頑張っていきたいと思います」

3位・村田祐樹(富山)
「走った感覚は500バンクの1㎞TTは初めてだったんで、正直ちょっとタイムは出ていないかなと思ったんですけど、3秒台はゴールして出たんだって感じで、驚きもありました。きつかったですね。最後までどうなるかわからなかったので待っている時はドキドキしました。3着以内を狙っていたので、まずは達成できてよかったです」

菊池岳仁の走り
新田祐大
村田祐樹
表彰式

■チームスプリント

500バンクなので半周交代になりました。
四国・徳島チームが46秒713で優勝。3位は何度かあるが、優勝は初めてで3選手とも嬉しそうでした。
2位は南関東・静岡チーム(簗田一輝、渡邉雄太、深谷知広)46秒891
3位は九州・長崎チーム(井上昌己、梅崎隆介、佐藤幸治)47秒103

優勝・四国チーム

1走:久米康平
「スタートは過去最大のバラバラでしたけど(笑)、その後しっかりリカバリーしていました。まぁ、自分のスタートも良かったですしね。支部合宿で何本か練習させてもらったけど、本番の方が0.4秒くらい早かったです。ここで練習できたことは大きかったですね。景色の感じとかイメージできました。ずっと3位だったので、まさか優勝とは思いませんでした。せっかく親王牌の特選スタートのチャンスをもらったので、しっかり活かせるようにちゃんと力をつけていきたいと思います!」

2走:島川将貴
「スタートでミスして焦りましたけど、リカバリーできました。3位以内に入れたらと思っていたけど、まさか優勝できるとは思ってませんでした」

3走:太田竜馬
「失敗して、追いついたけど余分な脚は使いました。最初の方で相手のタイムもわからなかったし、失敗して、タイムを見た時に3位に入れたらいいなと思っていたら、まさかって感じです。親王牌の特選スタートは大きいですね」

徳島チームの走り
静岡チーム
長崎チーム
表彰式

■4㎞個人パーシュート

近谷涼が2連覇達成! タイムは4分34秒791
2位は渡辺正光(4分44秒472)、3位は梁島邦友(4分47秒643)

優勝・近谷涼(富山)
「最近は競輪の脚がついてきて、久々にチームパーシュートを走った時に中長距離の脚が自分でわかるぐらい落ちていました。でも、今の本職は競輪選手なんで嬉しいことなんですけどね。中長距離の脚は落ちていたけど、でも、負けたくないという気持ちはあったし、チームパーシュートが2着で悔しかったので、連覇できてホッとしています」

2位・渡辺正光(福岡)
「チームパーシュートのあとに個人パーシュートはすっごくきつかったです。ギアを軽くし過ぎたけど、今回のコンディションだったら変えなくてよかったですね。親王牌の権利を取れてホッとしました」

3位・梁島邦友(茨城)
「(香川雄介さんにぶつかってしまい)迷惑かけちゃったんで反省でした。自分としては調子もいいなと思ったんですけど、ちょっと集中し過ぎました…」

近谷涼の走り
渡辺正光
梁島邦友
表彰式

■4㎞チームパーシュート

4分17秒878を出した九州・福岡チームが優勝。3秒以上も大会記録を縮めました。
2位は中部・富山石川チーム(近谷涼、重倉高史、吉川希望、南儀拓海)、タイムは4分19秒526でした。
5連覇がかかっていた南関東・神奈川チーム(新村穣、嶋津拓弥、堀内俊介、佐々木龍)は3位に。タイムは4分22秒472でした。

優勝・福岡チーム

角令央奈
「設定タイムは4分20秒、21秒くらいだったんですけど、突っ込んだ時に出過ぎだって思ったんですけど、でも、なんか身体が覚えていたんで、そのまま押し切れた感じです。今回は気圧も低かったし、タイムは出るだろうと思ってました。500用の練習はすごくして、しっかり計算して、その成果は出ましたね。これがきっかけで福岡チームをどんどんGIに輩出していけるように競輪も頑張って、その道筋をできるように今後につなげていきたいです」

原井博斗
「オーバーペースで入ってしまって最後までもたないかと思ったんですけど、皆しっかりオーバーペースのまま回れて、結果オーライでしたね。このタイムは予想外でしたが、しっかり練習と準備してきたんで、この結果につながってよかったです。」

橋本陸
「久々の競技ですごく緊張しました。次も(全プロ新記録は)また塗り替えるぐらいの気持ちで頑張りたいと思います」

上野恭哉
「もう嬉しいのひと言です。タイムに関しては皆でびっくりでしたが、皆の力を出し切った結果、このタイムが出たと思います」

福岡チームの走り
富山石川チーム
神奈川チーム
表彰式

■エリミネイションレース

25名によって争われたエリミネイションレース。500バンクといこうとでゆっくりとしたレースになりましたが、その分、1周毎のエリミネートが厳しい戦いになりました。結果、エリミネイションレースの常連が最後まで残り、小林泰正が2連覇達成、2位は小林潤二、3位舛井幹雄と上位3人は昨年と同じメンバーになりました。

優勝・小林泰正(群馬)
「昨年に引き続き面子がすごくよかったし、自分はマークされると思っていました。途中、ちょっと逃げたりしようかと思ったんですけど、やっぱりマークがきつくて、なかなか自分の思うように走れなかったです。でも、なんとか意地で勝ててよかったです!」

2位・小林潤二(群馬)
「今回は本当にきつかったです。でも、泰正がすごく頑張っていたので、本当に刺激を受けますね。僕ももうちょっと頑張ります」

3位・舛井幹雄(三重)
「それなりに走れたと思いますが、今回はS級の追い込みの子が多くて、僕とポジションが被る子が多くてちょっと苦戦しました。500のエリミネイションはまったりしているから、脚はたまってくるんだけど、位置争いが残り26人ぐらいのところまであって、それで脚を使わされましたね」

エリミネイションレース
レース後、小林潤二が泰正を称える
表彰式

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