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第1回 競輪祭女子王座戦展望
レース展望 2023.11.08

第1回 競輪祭女子王座戦展望

#グレードレース展望

 今年度から新設されたガールズケイリンのGIレース第3弾・第1回競輪祭女子王座戦が小倉競輪場で開催される。男子の競輪祭との同時開催で28名のガールズによって3日制のナイターで実施されるが、優勝者にはガールズグランプリの出場権が与えられるとともに大会終了時点での獲得賞金ランキングによってガールズグランプリの出場選手が決定される。見どころはやはり佐藤水菜と児玉碧衣の対決だが、獲得賞金ランキングでトップを走り続けている久米詩やスピード勝負なら負けてはいない太田りゆの一発も侮れない。

佐藤水菜 神奈川 114期
 佐藤水菜は3月のコレクション別府ステージでは児玉碧衣の巻き返しを許さない圧巻の逃走劇で優勝しているが、8月のガールズドリームレースでは最終1コーナーで児玉碧衣に叩かれ、西武園ステージのときとは逆に逃げ切られてしまった。しかし、雨中の対決となったオールガールズクラシック決勝では6番手から大外を捲り上げると、逃げる児玉碧衣を難なく捕らえて優勝している。小倉バンクは20年と22年のガールズグランプリトライアルレースで優勝しており、今回も得意の高速バンクで世界レベルのスピードを見せつける。

児玉碧衣 福岡 108期
 児玉碧衣は落車の影響で冬場は低迷し3月のコレクション別府ステージも佐藤水菜とのもがき合いに敗れて3着に終わったが、ガールズケイリン初のGIとなった6月のパールカップを完全優勝して復活を果たした。8月のガールズドリームレースでも佐藤水菜を押さえ込んでの圧巻の逃げ切りで優勝を飾っているが、10月のオールガールズクラシック決勝では再び逃げ切りを狙うも佐藤水菜に捲られて4着に終わっており、過去にガールズグランプリトライアルレースを4回優勝している相性抜群の小倉バンクでリベンジを狙ってくる。

久米 詩 静岡 116期
 久米詩は昨年の優勝は4回だけだったが、今年は4月の時点で4回の優勝を数え、5月のコレクション平塚ステージでビッグ初優勝と急成長を遂げた。6月のパールカップで準優勝、7月のガールズケイリンフェスティバルで2度目のビッグ優勝を達成、獲得賞金ランキングもトップを独走していた。8月のガールズドリームレースは5着に終わり児玉碧衣にランキングで逆転されたが、10 月のオールガールズクラシックで決勝3着となりトップに返り咲いている。ガールズグランプリ初出場は確実だが、今回もライバルたちを蹴散らして優勝を狙っていく。

山原さくら 高知 104期
 山原さくらは結果を恐れぬ度胸満点の走りが魅力の選手だ。10月のオールガールズクラシックの初日ティアラカップでは前受けから打鐘とともに腹をくくって先行、久米詩の捲りをしのいで見事に逃げ切っている。残念ながら準決で6着と敗れたが3日目特選も1着と調子はいい。昨年のガールズグランプリでは2着と健闘したが、10月末時点での獲得賞金ランキングでは9位と厳しい位置にいる。しかし、今回は選考順位が堂々の1位で3着権利の予選や準決を4着でも突破できるので、2年連続のグランプリ出場に向かって力走してくれるだろう。

吉川美穂 和歌山 120期
 吉川美穂は120期の新鋭だが、競輪選手になる前は自転車競技で数々の実績を残しており、競輪選手養成所時代にはゴールデンキャップを2回獲得している逸材だ。昨年は7月のガールズケイリンフェスティバルでビッグレース初出場し、いきなりの決勝進出を果たしている。今年も6月のパールカップでは勝ち上がれなかったが、7月のガールズケイリンフェスティバルで決勝2着、10月のオールガールズクラシックも決勝2着と健闘、10月末の獲得賞金ランキングでは3位につけており、ガールズグランプ初出場に向かって今回も賞金の上乗せを狙う。

太田りゆ 埼玉 112期
 太田りゆはビッグレースの優勝はまだないが、ナショナルチームで鍛え上げたスピードは佐藤水菜にも決して引けを取らない。昨年小倉で開催されたガールズグランプリトライアルレースの予選1では梅川風子の逃げを4番手から捲り2着に4車身差をつけて圧勝し、上がりも11秒5と男子の選手もびっくりのタイムを叩き出している。今年は8月のガールズドリームレースで逃げる児玉碧衣に対して捲りで4分の1車輪まで詰め寄り2着と健闘しており、今度こそのビッグレース初制覇とガールズグランプリ初出場に期待したい。

石井寛子 東京 104期
 石井寛子は10月末の豊橋で今年15回目の優勝を飾り、獲得賞金ランキングでは6位から4位へ上がったがガールズグランプリへの道のりはまだ遠い。ランキング3位の吉川美穂が1千9百万で、4位の石井寛子、5位の尾方真生、6位の坂口楓華が1千8百万円台と並んでいるので、女子王座戦の終了までに順位はコロコロと変わるだろう。石井は8月のアルテミス賞レースを優勝、7月のガールズケイリンフェスティバルは決勝3着、10月のオールガールズクラシックは決勝5着とさすがの安定感を維持しており、11回目のグランプリ出場を目指す。




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