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ガールズケイリンコレクション2023西武園ステージ展望
レース展望 2023.07.26

ガールズケイリンコレクション2023西武園ステージ展望

 ガールズケイリンコレクション2023西武園ステージがオールスター競輪の開催中の西武園競輪場で実施される。ファン投票で上位7名に選ばれた選手が出場するガールズドリームレースは児玉碧衣と佐藤水菜のスピード対決が見どころたが、今年ビッグレースを2度制覇している久米詩の一発も十分だ。アルテミス賞レースは梅川風子の機動力が中心だが、レース巧者の石井寛子と小林莉子の逆転が侮れない。

ドリームレース


児玉碧衣 福岡 108期

 児玉碧衣はガールズ初のGIとなった6月のパールカップを完全優勝で制して初代チャンピオンとなり復活を遂げた。7月のガールズケイリンフェステイバルは優勝はならなかったが、予選1と2を上がりタイム11秒9の捲りで連勝、ガールズ最速の通算500勝を15年5月1日の登録日から8年2か月15日で達成した。決勝は4着だったが再発走のアクシデントで集中力が途切れてしまったのが一番の敗因だ。3月のコレクション別府ステージでは佐藤水菜とのもがき合いで3着に敗れたが、今度こそのリベンジを誓ってくる。

佐藤水菜 神奈川 114期

 佐藤水菜は2月にジャカルタで開催された2023UCIトラックネーションズカップの女子ケイリンで金メダルを獲得、続くカイロで開催された第2戦でも女子ケイリンで2大会連続となる金メダルを獲得した。直後に中1日の強行軍でコレクション別府ステージに出場して逃げ切りで優勝している。5月には伊豆ベロドロームで開催された全日本選手権トラックの女子スプリント、女子ケイリン、500mTTを優勝、さらに6月にマレーシアで開催されたアジア自転車競技選手権大会の女子ケイリンで優勝しており、今回も世界レベルのスピードを存分に見せつけてくれる。


小林優香 福岡 106期

 小林優香は、今年は1月のいわき平から3月の佐世保まで6場所連続で完全優勝を達成、3月のコレクション別府ステージも2着と好調だった。しかし、その後は調子落ちになり5月には腰痛が再発して2場所を欠場、6月のパールカップでは予選は逃げる太田美穂の番手を取りきって1着だったが、準決は5着で優出できなかった。7月のガールズケイリンフェステイバルも欠場と状態面では不安しかないが、14年のデビュー以来女王として創成期のガールズケイリンを引っ張ってきた小林のファンは多く、元気な姿で帰ってきてくれるのを期待したい。

久米詩 静岡 116期

 久米詩は昨年9月からナショナルチームのメンバーといっしょに練習させてもらえるようになって急速にレベルアップし、今年は5月のコレクション平塚ステージでビックレース初優勝を飾った。6月のパールカップでは逃げ切りの2連勝で勝ち上がり、決勝は児玉碧衣に4車身差をつけられながらも2着でゴールイン。そして7月のガールズケイリンフェステイバルの決勝では児玉の逃げを差して2度目のビッグレース優勝を達成しており、もちろん今回も児玉と佐藤水菜のスピートスターを相手に逆転一発を狙ってくる。


柳原真緒 福井 114期

 柳原真緒は昨年のガールズグランプリを制して新女王となったが、3月のコレクション別府ステージは6着と大敗した。5月のコレクション平塚ステージでは勝負どころで6番手になるも直線で伸びて2着と鋭さを見せたが、6月のパールカップでは優出するも3日間未勝利の物足りない成績に終わった。その後は腰痛もあって2場所欠場して7月のガールズケイリンフェステイバルに臨んだが準決で敗れて優出を逃している。それでも3日目選抜ではようやく自力が出て捲りで1着を取っており、状態的には思わしくないが今度こその奮起を期待したい。


山原さくら 高知 104期


 山原さくらは5月のコレクション平塚ステージは7着と大敗、直後に鼠径部靭帯損傷に見舞われ3場所欠場した。そのため6月のパールカップは準決で敗れたが、予選が3着、3日目選抜が捲って1着とまずまずの成績だった。そして迎えた7月のサマーナイトフェスティバルでは予選1が久米詩や尾方真生らを相手に逃げ切り、予選2が尾方真生の逃げを5番手から捲って1着、上がりタイムは11秒9と児玉碧衣と同等のスピードを見せつけた。決勝は6着に終わったが、今回も好調・山原の大捲りの一発が期待できるだろう。

太田りゆ 埼玉 112期

 太田りゆは海外遠征から中1日の強行軍で出場した3月のコレクション別府ステージは5着に終わったが、4月の西武園と5月のいわき平を完全優勝している。5月に伊豆ベロドロームで開催された全日本選手権トラックの女子スプリントでは佐藤水菜に続いて2位、女子ケイリンも佐藤に続いての2位、6月にマレーシアで開催されたアジア自転車競技選手権大会では女子チームスプリントで太田りゆ、佐藤水菜、梅川風子、酒井亜樹のメンバーで2位、女子スプリントは佐藤水菜を下して優勝、女子ケイリンは3位とそのスピードはもちろん折り紙つきだ。


アルテミス賞レース


石井寛子 東京 104期

 石井寛子は7月までの優勝が9回と高いレベルで好調を維持しているが、ビッグレースとなると力を出しきれずにいるのが現状だ。5月のコレクション平塚ステージは6着、7月のサマーナイトフェスティバルは決勝3着だった。それでも予選1は3番手からの直線強襲で1着、予選2は逃げる久米詩の番手を取り切っての1着とさすがの走りを見せており、今回も自在な立ち回りからの好位置奪取で優勝を狙ってくる。


日野未来 奈良 114期

 日野未来は、養成所時代は優秀な成績を収めた生徒に与えられるゴールデンキャップを獲得している。残念ながらプロデビュー後は伸び悩んでしまったが、昨年6月の松戸で児玉碧衣を下して優勝して注目を浴び、成績も徐々に上向いてきている。6月のパールカップと7月のサマーナイトフェスティバルでは勝ち上がれなかったが、3月の前橋で完全優勝しており、今回も持ち味の自力を発揮してチャンスを掴んでくる。



荒川ひかり 茨城 110期

 荒川ひかりは19年のアルミテス賞レースと21年のガールズドリームレースに出場しており今回が3回目のビッグレースとなる。今年は落車などが続いた影響で調子が上がらず優勝はまだないが、7月までに14場所走って優出が10回とまずまずの成績を残している。21年のドリームレースは5着だったが、19年のアルテミス賞は終始後方の展開から最後の直線で大外伸びて3着と健闘しており、決して侮れない存在と言えるだろう。


奥井迪 東京 106期

 奥井迪は5月のコレクション平塚ステージでは5着に終わったが、久米詩や山原さくらを相手に主導権を取りきっており、41歳のベテランになっても積極性は相変わらず高い。6月のパールカップも勝ち上がりには失敗したが、予選は逃げて7着、3日目選抜も逃げて7着だった。昨年のアルテミス賞レースは山原さくらと尾方真生の先行争いで奥井は3着だったが、今年はメンバー構成からも奥井が先行勝負を挑んでくるだろう。


石井貴子 千葉 106期

 石井貴子は、今年は3月の小倉で優勝しているが、4月からは病気のために長期欠場中となっている。石井は20年のガールズドリームレースで児玉碧衣の逃げを差して優勝するなどビッグレースを4回制覇している実力者だ。21年5月に落車で大怪我を負いながらもファン投票で5位に選ばれたことでリハビリに励み3か月後にガールズドリームレースに出場した経緯があり、今回も多くのファンが元気な姿で戻ってくるのを願っているだろう。



梅川風子 東京 112期

 梅川風子は20年のアルテミス賞レースを捲って優勝しており、昨年のアルテミス賞も捲って2着と健闘している。今年はガールズにはまだ3場所しか走っていないが、うち2場所は貫禄の完全優勝で、もちろん今回も優勝候補の筆頭だ。自転車競技でも佐藤水菜、太田りゆらとともに好成績を重ねており、2月のジャカルタで開催された2023UCIトラックネーションズカップ第1戦の女子ケイリンでは自身初となる銅メダルを獲得している。

小林莉子 東京 102期


 小林莉子は昨年のアルテミス賞レースで梅川風子の捲りを差し切って優勝、12年の第1回ガールズグランプリ以来10年ぶりのビッグレース制覇を飾った。今年6月のパールカップでは予選を2着、準決も2着で突破したが、決勝は残念ながら落車に見舞われた。それでも7月のガールズケイリンフェステイバルでは予選1が4着、予選2が2着で優出を果たしており、今回も持ち味の強気の走りで好位置を狙って優勝を目指してくる。




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