5月1日から6日まで、平塚競輪場で開催された第80回日本選手権競輪(GI)。通称『ダービー』と呼ばれるこの大会は、GIの中でも最高峰の格式を誇る一戦です。6日間にわたる激闘の末、古性優作選手がその頂点に立ちました。
古性選手自身は決勝戦について「褒められたレースではなかった」と振り返りましたが、俊敏に空いた内を突き、眞杉匠選手をさばいて抜け出したレース運びは、まさに“さすが”のひと言。優勝インタビューでは、古性選手の目に涙があふれる場面もありました。歓喜、そしてこれまで抱えてきた葛藤を語ったインタビューをご覧ください。

競輪にすべてを捧げてきて、それが報われた気がします
-優勝した今のお気持ちから教えてください。
「めちゃくちゃ嬉しいですね」
-その嬉しさは、どこから来るものですか?
「本当に……何もかも競輪に捧げてきましたし、それが報われたなという気持ちです」

-これまでGIをいくつも制し、グランプリも優勝されていますが、このダービーはやはり特別ですか?
「日本一を決める大会だと思いますし、それがプレッシャーになって、なかなか思うような走りができていませんでした。今年はとにかく力を出し切ろうと思って走りました。レース内容としては褒められたものではなかったんですけど、そういう気持ちで走れたことが結果につながったと思います」
-褒められたレースではないとおっしゃいましたが、初日から振り返ってみていかがでしたか?
「ダービーなので、自分が普段は隠している切り札みたいなものを、初日から出していく形でした。それが今回はうまく活きたと思いますし、普段のレースでもまたしっかり頑張りたいと思います」
-決勝戦は単騎でしたが、どのように臨みましたか?
「とにかく消極的にならず、思い切って力勝負をしようと思っていたんですけど、佐々木(悠葵)君も赤板から隙がなかったですし、掛かりもすごかったです」
-その後は、どのように対応されたのでしょうか?
「外を踏もうと思ったんですけど、最終ホームからの動きは自分でも覚えていなくて、内側に吸い込まれていったなという感じですね」

-空いたコースは見えていましたか?
「空いていたのは見えていました。けど、何で自分がああいう判断をしたのかは、自分でもわからなかったですね」
-眞杉匠選手をさばいて、吉田拓矢選手を追う形になりました。
「もう必死でした」
-最後の直線はいかがでしたか?
「抜けるかどうかもわからなかったんですけど、『抜く』と思ってからは、とにかく後ろに誰もいないでくれって思いながら踏んでいました」
-ゴールした瞬間、優勝は確信しましたか?
「わかりました、はい」

-大歓声は、どうでしたか?
「この大会を獲るために自分も一生懸命やってきましたし、決勝に乗った9人全員が優勝するために頑張ってきたと思います。素晴らしい選手たちの中で優勝できたことは嬉しいですね」
-涙も見られましたね。
「昨年はちょっと不甲斐なくて……選手を続けていくべきか悩んだ時期もありました。でも、ファンの皆さんに応援してもらって、まだ辞めるタイミングじゃないなと思えました。ただ、納得できる走りはずっとできていなくて、ケガも続いてしまって……。ネガティブな気持ちがケガを招いたのかなとも思います。そこで、今年の全日本選抜競輪の2日目から乗り方や自転車のパーツを変えて、昨年よりもいい感触でレースができている感覚があります」
-近畿の大先輩たちも獲得してきたタイトルです。
「そうですね。この大会を獲る難しさは、先輩たちの背中を見て感じていましたし、この大会に向けて選手たちは一段、二段とギアを上げて仕上げてくると思うので、その中で完全優勝できたことは本当に嬉しいです」
-これでグランプリ出場が決まりました。
「自分の頭がパンクしないように、ケアもしながら、息抜きもしつつ、トレーニングとのバランスを取って、自分が壊れないようにしっかり調整していきたいです」

古性優作(こしょう・ゆうさく)
大阪・100期・S級S班 1991年2月22日生まれ 身長168.0cm 体重77.0kg
Q 完全優勝の感想は?
「気持ちいいですね! ダービーなので、完全優勝は“日本一”っていう気がしますね」