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直送!競輪場便り from 弥彦競輪場 村上博幸(京都86期)
インタビュー 2022.08.10

直送!競輪場便り from 弥彦競輪場 村上博幸(京都86期)

#競輪場便り

選ばれし競輪選手

村上博幸は偉大なるタイトルホルダー。G1優勝の数を数えたら、2010年の日本選手権、同年のグランプリ、2014年の全日本選抜、2019年の親王牌とタイトルを獲っている。他にもGⅡの共同通信社杯、SSシリーズ風光る、東西王座戦競輪でも優勝。それ以上に、今の“近畿の競輪”の礎を作ったし、人望も存在感も一番ある。

その代償が怪我との戦い。「医者からは、またですか。今度は、どこ? と言われる始末(苦笑)。若い時は大怪我の後にG1で優勝した事もあるけど、今は不安しかない。正直言えば、しんどい…。1月の大宮記念で落車して鎖骨骨折。大宮に行く前に鎖骨に入っていたプレートを除去したけど、また同じ場所を骨折してしまった。そこから菌が入り、ドクターストップ。復帰に半年掛かり、前回の函館が久々の実戦だった」。

今回の弥彦記念は7車でなく、9車立て。そこにも戸惑いがある様だ。「7車はレースが単調だし、作戦も二つか三つ。自力選手のペースになるから、後方から突っ込むのは難しい。9車のレースも以前と比べてタイムが上がっている。ゴール前で、スピードが落ちないし、僕らマーク選手にとっては厳しい。」

ただ、荒井崇博、佐藤慎太郎、諸橋愛、成田和也と村上博幸より年上の選手も大活躍している。まだまだ老け込む年ではないが、GⅠ戦線に戻るのは時間が必要だ。ダービーは2月から来年1月までの賞金だし、現実的に厳しい。一番可能性があるのは全日本選抜。各県の競走得点のトップの選手が選ばれるし可能性はある。

「正直言えば、G1戦線とかでなく、もっと楽になりたい(笑)。だけど、ファンの人が自分のイメージを大切にしてくれ、今回の弥彦記念でも朝練習で、いっぱい温かい言葉をもらえる。それがある内は、もう少し頑張ろうと言う気持ちになる」。

試練を与え続けられる競輪人生だが、“選ばれし競輪選手”なのは間違いない。

あの脇本雄太も、村上博幸が不死鳥の様に蘇る事を願っている。(弥彦競輪場から)

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