佐々木龍、急な追加参戦から小田原記念決勝へ
佐々木龍が力強い走りを見せ、GⅢ小田原記念の決勝に進んだ。近況は決して良いとは言えなかった。しかも急な追加参戦で、万全とは言えない状態だった。それでも決勝まで勝ち上がれたのは、日頃から地道に鍛錬を重ねてきた成果だろう。追加が決まったのは、前検日前日の7月30日だった。
初日の一次予選は、北井佑季の突っ張り先行を直線で差し切り、ワンツーを決めた。3番手の丸山啓一も続き、ラインで上位を独占。「北井さんが強かったし、3番手を回ってくれた丸山(啓一)さんにも感謝です。上位独占できたのがなによりです」と笑顔で振り返った。
この1着は、5月1日の平塚・日本選手権一次予選以来、ちょうど3か月ぶりの白星だった。二次予選は、青板周回から動いた野口裕史が赤板手前で主導権を奪取。佐々木は別線の反撃をしのいで直線で抜け出し、連勝を飾った。それでも「野口さんを2着に残せなかったのは自分の技量不足です」と反省を忘れなかった。動きは初日よりも2日目の方が良くなっていた。
勝負どころの準決勝は、郡司浩平―松谷秀幸の3番手を固めた。郡司が長い距離を駆け、佐々木の外には福永大智がへばりつく苦しい展開。最終2センターで前の松谷が落車したが、佐々木は内に避けて態勢を立て直し、2着に入った。「決勝には進んだけど、兄弟子の松谷さんが落車しているので……」と言葉少なに振り返った。それでも、2勝、2着1回での勝ち上がりは堂々たるものだった。
決勝は郡司にすべてを託した。杉浦侑吾が先頭に立つと、山崎歩夢が打鐘前から仕掛け、最終ホーム手前で叩き切った。6番手で構えた郡司は最終ホームから発進。鈴木竜士のけん制を受けて一度スピードが鈍ったものの、態勢を立て直し、さらに菅田壱道のブロックを乗り越えてまくり切った。郡司は2年ぶり6度目の小田原記念制覇。佐々木は5着だった。「郡司さんの体幹の強さをまざまざと感じました。あそこで一瞬、けん制を見てしまったのがいけなかった」と反省した。
父であり師匠でもある佐々木龍也さんは、HPCJCのアシスタントコーチを務めている。佐々木によると、練習メニューは龍也さんが組んでいるという。開催前や開催中の調整法についても、元競輪選手として豊富な経験を持つ父の助言には重みがある。その教えを胸に、佐々木は日々鍛錬を重ねている。
GⅢ優勝はまだないが、小田原での走りを見る限り、その日はそう遠くないように思えた。
※オールスター競輪は一次予選1着、二次予選4着で準々決勝Bへ。準々決勝Bは6着で敗退した。