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直送!競輪場便りfrom久留米競輪場 吉田拓矢(茨城107期)
インタビュー 2023.07.05

直送!競輪場便りfrom久留米競輪場 吉田拓矢(茨城107期)

#競輪場便り

脚力ダウンを実感し再浮上へ一歩ずつ

6月に久留米競輪場で行われた「開設74周年記念 第29回中野カップレース(GⅢ)」に出場した吉田。初日特選は茨栃スジの仲間である坂井洋との話し合いの末に前回りを志願すると、脇本雄太を後方へ置き去りにする痛烈まくりで快勝した。

準決こそ北日本の二段駆けや北津留翼のハイパワーに屈し着外に終わったが、二次予選は新鋭・後藤大輝の挑戦を受けて立ち、前々へとテクニカルに動き後藤の番手をさばくと楽々とまくり去った。若き挑戦者へ格の違い、そしてプライドを示す貫禄の一撃は力がこもっていた。最終日もまくりで制し、シリーズ3勝で幕を閉じた。4走ともに足を適度に消耗する内容ある激戦に見えたが、本人のなかでは思いがあったようだ。「準決は出し切れなかったけど、最終日はしっかり自分から動けたのでよかったです。でも、単純に脚力が落ちていますね。これはずっと実感していたし、この先の課題です」

 本人も首をひねる脚力差とは、連戦による疲労から来るものが主因だという。4月の武雄記念の準決で落車し左肩を負傷したことも影響している。「落車のあと準備をする間もなくダービー(日本選手権)を走って、その後に子どもが生まれたりして私生活も忙しかった。間もなく富山全プロ、函館FⅠと走って余裕を持たずに岸和田(高松宮記念杯)だったので。武田(豊樹)さんにも『それ(調子を落としているのは)は自転車とかの問題じゃないな。体だよ』と言われました」と振り返る。

 この先は、幸いにして7月15~17日に行われる函館競輪「第19回サマーナイトフェスティバル」まで時間が空く。「武田さんから聞いたこともふまえて、やりたい練習とかも頭の中にはあるんです。いい感じで時間が空くので、函館までに立て直したい」と正しい方向を探り、あらゆる手を尽くす。

昨年までS級S班に君臨していた実力者が復権を目指し一歩ずつリズムをつかんでいく。

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