縦横無尽
5月の玉野で今年3回目の優勝を飾った小橋。決勝は中村陸生(栃木)を使い、余裕の抜け出し。先行屋をとことん庇う小橋らしいレースで、中村を2着に残した。しかし、玉野のハイライトは初日特選だった。何と小橋が先行したのだ。結果は5着に敗れたものの、自らがレースを作り出すなど好調だからこその戦い方だった。
2場所連続優勝がかかった弥彦初日特選は小池千啓(栃木)を使い1着。前回決勝の中村に続き、栃木の若手をうまくリードした。準決勝は東北ラインの三浦翔大と連係した。太田真一に絡まれ連結が外れ三浦が3番手、小橋は5番手。最終Bで小橋はまくって出たように見えたが実は、三浦の後ろに追い上げただけだった。「まくろうと思えばまくれたけど、三浦君はいつも頑張ってくれていて、それで着が悪いから何とかフォローしたかった」三浦は結局6着になったが、小橋の性格の良さと追い込みとして若手を育て上げる気持ちが伝わった内容だった。決勝は飯田憲司(静岡)に付けることもできたが「ひらめきですかね。自分で戦った方がいいと思ったし、勝っても負けても納得できるから」と単騎を選択した。
初手は小池―原田泰志の3番手。4番手に飯田が続く。西ラインは末廣快理(兵庫)に松田大(富山)―加藤寛治(愛知)で東西2分戦になった。末廣が叩こうとするが小池が突っ張る。2角から末廣がまくると合わせて原田も出たが、末廣の前に屈した。小橋と言えば原田の後ろでそのまま3着で終えた。「気持ちは自力で行こうと思っていたのに、決勝に限って初日、2日目と脚の感じが全然違った。本当にきつかった」と悔しさを露わにした。
7月からは1年ぶりにS級に返り咲く。つい最近から練習方法を見直した。「ウエートも止めたし、長く自転車に乗らないようにした。44歳だし若い時と同じ練習では身体がもたない(笑い)。44歳の筋力に合った練習にしています。乗り方も身体と相談して」。それでも流れ次第で先行、まくりを打てるようには作っている。「S級では3番手とか回る機会が増えると思うから、それに合わせた戦い方を考える」と言いながらも「メンバーによっていつでも自力で戦える準備はしておく」とも。
バンクを縦横無尽に走る小橋、S級でも暴れてくれることだろう。