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直送!競輪場便り 原大智(宮城117期) 26歳 A級2班
インタビュー 2023.05.03

直送!競輪場便り 原大智(宮城117期) 26歳 A級2班

#競輪場便り

モーグル引退から1年
急激に力を付けた元祖二刀流レーサー

 2018年「平昌オリンピック」男子モーグルの銅メダリストは、22年の北京五輪後にモーグルを引退。二刀流を卒業し、22年4月から、競輪一本の生活を送るようになった。そして1年が経ち、原はA級1・2班戦で目覚ましい活躍を見せている。

「1年経って、自転車だけの生活にようやく慣れてきました(笑)」

 異色の二刀流レーサーは注目度こそ抜群に高かったが、デビュー直後はチャレンジでも苦戦を強いられていた。初勝利は8月の敗者戦。周囲と比べて圧倒的に足りない自転車経験の不足分を補うべく、冬期のモーグルシーズン中でも、「練習時間は競輪が9割、モーグルは1割」と自転車とじっくり向き合った。

 その甲斐もあってか、少しずつではあったが着々と力を付けていき、そして競輪に専念した途端、蓄えた力を一気にレースで発揮できるようになった。22年後期はA級1班の点数を確保。そして23年前期、初のS級点が狙える位置に付けている。特筆すべきは、とにかく内容が良いこと。予選は一番苦しいとされる突っ張り先行が基本。準決や決勝でも、構えることはせずモガき合い覚悟で主導権を取りにいく。そのため大敗してしまうこともあるが「小さいレースをして勝ち上がるよりは7着でも納得いく走りをしたい」と語る真の男だ。

「もちろんS級点は目指しているし、今期(23年前期)取れれば取りたい。そのためにはまず決勝にコンスタントに乗れるようにならないと。まだ、準決で勝ったり負けたりなので」

 ちなみにモーグルを引退してからは「スキーは全く滑っていないですね。もう一生分滑ったので(笑)」とのこと。また、モーグルの大会で解説を務めることもあるようだが「話をいただけてありがたいし息抜きにはなりますけど、その時間を自転車に乗って練習に使いたいなって思いもあります(笑)」と、もはや一途な競輪選手になっているようだ。

 4月には自身のSNSで、2月に入籍したことを発表した。公私ともに最高に充実している今、この勢いで一気にS級の舞台へと駆け上がるか。

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