いつものラーメン店に「冷やし中華」のメニューが登場。
「いつもはGWからだけど、もう立派に夏の日があるもん。冷やし中華始めましたでしょ」
と店主のマサさん。4月だというのに、気温20度越えは当たり前。
じゃあと注文すると、錦糸卵、キュウリ、トマトにハムが乗っている。そうだった、この店のはチャーシューじゃなくて、ハムなんだ。
「それが俺のこだわり。子供のころ、母親が食べていた冷やし中華をもらって、初めてほおばったときの感動そのままの味と具なんだ」
って聞かされたことがある。そんな思い出を持ち出されちゃ、チャーシューの方がいいとは言えないな。
酸っぱさにむせていたら、常連のトミさんが入ってきて、
「大丈夫か、誤嚥の心配しなきゃいけない年なんだから」
と声をかけてきた。
まったくだ。
今日は高知記念の最終日。トミさんと俺の狙いは川越勇星。3月の終わりに、いい競走しているねえと意見が一致していた。
昨年1月にS級に復帰した川越。2月と7月に落車して、成績が上向いてもまた落ち込むを繰り返していたが、11月の西武園で決勝に乗ったあたりから、34戦して15回も連に絡んでいるように、成績を上げてきた。先行するときはしっかり逃げるし、中団を取りにいくときはしっかり取る。簡単に下がらず、粘り強く位置を取って、また仕掛けいく。
最近の川越は諦めずに前へ前へ踏んでいく気迫が感じられる。何でもできるレースっぷりから、トミさんとは9車立ての記念のときに穴で狙ってみたいねと話していた。
調べてみたら、川越が記念を走るのは昨年9月の京都向日町以来。
初日は中団を取ったが、瓜生崇智と競り合って7着。
2日目は1着だったが、2着も渡邉晴智で車単は1番人気の460円。
3日目は小原太樹、川越で決まって、車単870円で3番人気だった。
穴を狙っているから…。
最終日の川越は11Rの8番車。S班の佐藤慎太郎もいるし、四分戦で一番点数を持っていないライン。こういうのを待ってました。狙うは川越を3着にしての車券。
レースはバックからまくっていった川越が肉眼では3着に見えて、心の中でガッツポーズしたけど、1/4輪差で4着。
川越が3着なら3連単で219倍あったのに。持ってたのに。
う~ん、ショック。
帰り道で会ったトミさんに聞いてみた。
川越のレースはダメだったねえ。
「いや、取ったよ。決勝もね」。しれっと言ってのけた。
話が違うじゃない。
冷やし中華のときより強くむせちゃった。