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直送!競輪場便りfrom四日市競輪場 山口聖矢(岐阜115期)
インタビュー 2022.09.21

直送!競輪場便りfrom四日市競輪場 山口聖矢(岐阜115期)

#競輪場便り

悩みながら

 多くの競輪選手は年を重ねるごとに自分に合った戦い方を見つけ、少しずつ変化していく。長い選手人生ながら、デビュー4年目で過渡期を迎えているのが山口聖矢だ。弟の拳矢、橋本優己、志田龍星ら若手がS級で活躍する岐阜勢の中で、なかなか頭角を現すことができない。「山で乗ったあとは、競輪場で午後練習。みんなともがくのですが、少しは食らいつける。でも何をしても負ける」。力差を痛感する毎日。追い込み選手としてGPを2度制した偉大な父・山口幸二さんからも「自力でS級を戦うのは無理。早く人の後ろにいけ」とアドバイスされている。

 しかし、まだその決断はできずにいる。A級は自力基本で戦ったうえでS級点を取りたいという思いがある。すでに番手で戦うケースも増えてはいるが、自力脚は捨てたくない。「悩んでいます。今の僕は中途半端ですよね。すでに28歳ですし、年齢的にも進む道を考えないといけない」。そんな姿を見て声をかけてくれたのが同じ親子レーサーの佐々木龍。潔く追い込みにチェンジし、ハコ勝負も辞さない選手に変貌を遂げただけに「やる気があるならヨコ勝負はやった方がいい」と背中を押してくれた。

 人の後ろを回って追い込み勝負に専念して戦えば、S級点確保の可能性は高くなるだろう。「岐阜記念の決勝で岐阜の若手3人が連係しているのを見て僕も加わりたいと思った」と、A級生活を続けることは考えてない。しかし、今期はスタートこそ良かったものの、近況は流れが悪くて競走得点も90点を割った。「脚は悪くない。人のヨコで粘ったりするのは怖いと感じるが、気持ちを奮い立たせて頑張りたい。もちろん自力の練習もして自力で戦えるようにまだやっていく」

 当面は「自力自在」というスタイル。悩みながら、しかし中途半端にはならないように―。

競輪の面白さは、人それぞれの人生がレースで見られるところにもある。

(四日市競輪場にて)

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