梶田舞(35=栃木)が、がんを克服して〝感謝〟の走りを続けている。昨年11月の静岡ガールズ決勝で落車。肋骨(ろっこつ)骨折などの大けがを負った。その際に全身を調べた結果、腎臓がんが発覚。「ステージ1でした。私の周りにも同じような病気の人もいますが、自分は軽い方だったので腎臓を残しての手術もできました」。術後は順調に回復し、抗がん剤治療等もなく、2月7日開幕の小田原からレースに復帰している。
「病気の影響なのか目も見えないときもありました。でも、やっと普通に生活ができるまでになった。もっとゆっくりした方がいいのかもしれないけど、競輪に恩返しがしたいから」。落車負傷がなければ腎臓がんを発見することができなかったかもしれない。「本当に競輪に助けられた。普段だと症状が出たとしても疲れかなと思いながら過ごしていたと思う。落車がなかったらもっと進行した状態で見つかる形だったかもしれないですからね。私は本当にラッキーです」。同時に、がん早期発見の大切さを身に染みて感じた。「いろんなところに記事を載せていただければ。病気を経験して思うことは、何ともなくても1年に1回は検診を受けてもらいたいですね。早期発見が大事だなと思う」。
復帰4節目の小倉では、「ガールズグランプリを取った時にもお世話になっていた先生に、体の方もメンタル面でも相談して上向いてきている」。この小倉では、復帰後、予選で初めて確定板に載り、決勝進出(5着)。本格復調へ、「少しずつ焦らず戻していきたい」と一歩ずつ前進し始めた。
ガールズグランプリを2度制した実力者が、感謝の思いを胸に再出発を切った。