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内林久徳「車券推理の極意」 高松宮記念杯「決勝」2022岸和田
解説&分析 2022.06.22

内林久徳「車券推理の極意」 高松宮記念杯「決勝」2022岸和田

#レース予想の極意

伝統の高松宮記念杯は岸和田固定ではないが、ポスターを見ると徐々に岸和田の色が濃くなって来たG1と感じます。先のダービーで優勝した脇本雄太が規定出走本数不足で選出されず。ダービー王がG1に参加しないのは残念ではありますが、グランプリチャンピオン古性優作の凱旋レースとなる事で地元の期待は膨らむ。その古性の立ち回りに注目でした。

シリーズ通して先行が残らないと言われていたシリーズでしたが、それはただ単に番手の選手が残す事より、自身の着順を最優先にしている結果だと思います。若手の先行選手が多く脱落した。組み合わせにもよりますが番手の援護なしや早抜き。展開的に持たないと言えば持たない。本来先行と番手の間柄は風切り役と、露払いでお互い優位にゴールを目指すため。しかし番手のみが優位です。4コーナーからしか残す素振りはない。本来バックでは既にその布石を打つ。そして3コーナー入って誰も来なくても伸びて来る選手対し、タイミングをずらす動きをします。しかしほとんどの選手がただ単に追走。車間を切る動きが残す事につながってなく、むしろ追い込みの形を作っている様。そして勝ち上がったが目標がいず、何も出来ない事に結びついています。華は先行。根っこは番手。華を咲かすのは番手の仕事であります。

その結果、準決勝4個レース全てに本格先行不在の組み合わせです。2着プラス1。落車の嵐でした。本格先行がいず作戦が組みにくい事もあります。そして立ち遅れ無理に突っ込んで落車が目立ちました。もう今の競輪に2着取りはマッチしていまいとも感じました。準決勝2個の東西対抗王座戦がマッチしていると思います。そもそも東西対抗戦とうたっている事と、伝統と言うならやはりその勝ち上がりが良いでしょう。

決勝メンバーが出揃い、小松崎大地の先行一車。郡司や山田もいますが、誰も先行しない時のみの先行です。やはり小松崎率いる北日本ライン中心の決勝と思われます。そしてグランプリチャンピオンである地元の古性優作の単騎戦。勝ち上がりは番手の競走でありましたが、ここでは単騎でグランプリ同様に勝負強さを発揮出来るか注目となりました。 先行一車の小松崎はこのメンバーでは山田庸平が無理矢理描けない限り、打鐘3コーナーぐらいから仕掛けホームで出っ切るイメージ。勿論、山田、郡司を警戒してになります。この展開で山田が中団取ったとしてもまくれる事はない。もし山田がイン粘りなら郡司にもチャンスは訪れるが、 早めに並走状態でないとまくれない。郡司にとっては番手まくりでしかタイトルを取ってないので、是が非でも自分自身の手で取りたい所でしょう。

展開予想

スタートは小松崎。先行一車なのでカマシ狙い。その後ろに古性。そして郡司ライン。後方九州勢と考える。山田が上昇し小松崎を斬る。その動きに郡司はどう対処するか。小松崎は後方まで下げるので、中団は確保出来るが、さらに山田を斬るか。山田を斬らない限り山田任せぬになり、山田が下げれば8番手もあり得る。ゆえに山田を斬り小松崎を待つ形。小松崎は先行一車なので遅めになる可能性が高いので郡司はそれなりに踏み込まないと対処出来ない。その中でイン粘りはあり得ます。北日本追走から古性はもつれれば内に切り込みもあるだろう。もしくはグランプリ同様にまくり勝負かです。ただ内に山田が並び的にいそうなので、外並走からの仕掛けでタイミングは取りづらい。小松崎の4コーナーカマシと考えるので郡司が粘っても外が有利。その結果すんなり北日本が出っきり番手佐藤慎太郎の抜けだし。仮に山田が郡司を斬らせなければ、山田が粘り郡司がまくりやすくなる。そして地元の古性である。勝負強さがあるが故に優勝もある。

 車券的推理予想
3-6-415
3-4-615
3-1-465
9-2-513
9-5-2831
1-全-全

結果 1-7-8    919.5倍(248番人気)

レース経過

スタートは郡司浩平が取り中団に福島ライン。その後ろに古性が終始位置する。後方の九州勢がまず動き郡司を斬る。この時の動きで郡司は流動的な作戦と思った。斬られていれば後方も。それでは山田庸平次第になり、山田が粘らないなら8番手になる。そして内が開き仕掛けつつイン粘り。少し中途半端な作戦。古性は先行一車小松崎大地ラインを追走。しかも山田が動ける位置を取りたく下げた事で単独の4番手に入った。そして前団並走状態をちゅうちょなくまくった。古性に迷い無しと感じた。その事が展開を引き寄せたのだろう。4コーナー回って番手に入った山田の伸びがない。古性が1着でゴールを駆け抜けた。

優勝を確信したのは山田が伸び無かった時と感じる。グランプリチャンピオンとして地元のG1を迎えた事は喜びであるが、同時にプレッシャーとの闘いだったと思う。それを自ら跳ね退け価値のある優勝となった。昨年のオールスターからG1量産中である。しかもオールスターのみ番手。 他は自らである。勝負強さもあるが、やはり強気の攻めがこの結果を招き入れていると感じる。ラインの競争や流れに甘んじないスタイルには感服する。ここから先、脇本が帰って来ると更にチャンスは広がる。脇本の番手からの優勝もこの勝ち方なら誰もが認める優勝になる。古性の更なる飛躍となるだろう。

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