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車券推理の極意 第67回オールスター競輪「決勝」
解説&分析 2024.08.21

車券推理の極意 第67回オールスター競輪「決勝」

#レース予想の極意

今年は平塚でのオールスター。このバンクは先行有利。現在の競輪はライン重視。例え後方になりそうな自力型の3番手でも、そこを追走するのが風潮となって来ています。ルールが変化し、大ギアになった事が一番の要因です。その為に競りを避ける傾向になり、競れる選手がいなくなりました。そしていつしか番手を回る選手は先行崩れがほとんどになり、現在の競輪になりました。先行で通用しない選手が容易に番手を回り、GⅠでも決勝まで勝ち上がります。イン粘りをする選手も減っていましたが、ここ最近は見かける様になってます。番手が横の動きを出来ない事がそこにはあります。横の動きを制限するルールは変わってないですが、制裁自体は緩くなっているので、有効策と感じます。外から競れるのが一番ですが、それは現在には中々いない。眞杉が変幻自在に走れるのはこの様な現状だからです。ここまで先行有利なバンクでもその傾向のままでした。

今回はオリンピックに出場した太田海也も参戦し、オリオン賞からのスタート。そのオリオン賞は太田の先行一車でしたが、肩透かしの様な内容。2走目は力強いレースでしたが、二次予選は捲って来た坂井洋を合わし、強くは見えましたが、タイムは他のレースより格段に悪かった。そこには末の甘さが出ていたのかなと感じました。そこには競技と競輪の違いがあり、目標の違いを感じました。

そして勢いに乗る地元地区です。地元郡司を中心に、北井、松井に深谷の先行選手が揃い、他地区を圧倒する駒の多さです。地元の利もあり、今シリーズを制圧出来るかです。

迎えた準決勝。9Rは新山対犬伏を深谷が飲み込むかでした。しかしレースは完全に新山のペースになり、上位独占。新山はドリームレースとシャイニングスター賞で突っ張り先行をし、ファンの期待に応えようとした事が、ここで生きました。犬伏はタイミングを見誤り。深谷はその犬伏の動きに期待した事で、何も出来ず凡走となったレースです。

10Rは激戦区。太田の先行を松井が叩きに行き、そこを脇本が捲る。そこに眞杉が割り込めるかの様相でした。しかし太田は打鐘前に押さえるも、他の先行選手と叩き合う意志は感じられず、中団取りの構え。二次予選の走りがそうさせた様に感じます。そして脇本が先行。太田は3番手を取りに行くも眞杉が追い上げる。そこを松井が捲り切った意外なレースでした。

11Rは北井に窓場が挑み、松浦が捲れるかであるが、圧倒的に地元が有利と思われていた。スタートは郡司が取り、地元ラインが前受け。そして近畿ライン。後方が松浦ライン。窓場が中団からどうするかであったが、松浦が赤板前に車間を切ったので、 窓場にとっては最高の展開になった。打鐘からペースで出て行く。インを切った松浦が近畿ラインの3番手を取る。仕掛けるタイミングは逸した北井は1センターからの仕掛けだが、時すでに遅し。松浦が内を狙うが古性がしっかり閉めて決着。この動きがあり見事に窓場が逃げ切った。

決勝は新山率いる北日本が4車。近畿が窓場、古性。地元勢は松井に郡司。そして眞杉が単騎。 準決勝で新山が佐藤を連れて打鐘先行で逃げ切った。それに加えて北日本は4車となった事は、新山に有利に働く。新山はブレない先行策。それを叩く勇気があれば松井になる。窓場はレース巧者でもあるので、他の動きがあってから動く。そして単騎の眞杉。単騎の走りは眞杉の自由度を高めるので、目が離せない存在とここでもなる。 新山がメンバー的にも、精神的にも優位と感じます。

展開予想

前受けは誰も出なければ近畿。地元が取るなら、松井はカマシ一発狙いになる。基本は近畿で地元ラインが続き、単騎の眞杉で北日本ラインで周回。後方の新山が上昇。それに合わせて地元が動くなら中団狙いになるが、眞杉もその位置にいるかもなので、得策ではない。それなら新山を行かし無理をしてでも叩けば窓場が来る。それなら3番手確保になる。しかし新山は打鐘で先頭になるタイミングで仕掛けると感じる。他のラインは2車までなので、そんなに早く動けないからだ。動いたとしたら、それは中団狙い。もしくは番手飛び付きである。それを出来るのは窓場になる。新山が無理な動きなく打鐘で先行体制に入れば新山の優勝。松井が無理をするなら、近畿ラインに眞杉の絡みもある。

車券的推理予想 9-3-4251 9-2-735 2=5-719 2=7-591

結果 2-7-9 277倍(112番人気)

レース経過

前受けに近畿ライン。そして地元ラインが続き、北日本ライン。眞杉が最後方で周回。赤板で北日本ラインが先行態勢。近畿ラインが下げ、5番手に。そして地元ラインで眞杉で最終ホーム通過。 2コーナーから窓場が捲りを放つ。そして4コーナーを迎え横一列に近い状況から窓場が捲り切り、更に古性が抜け出し優勝。地元勢は勝ちを意識し過ぎたか、何も出来ず。そしてその地元勢の動きを期待したか眞杉。終始後方でレースを終えた。

決勝は単調なレースになりました。そこには地元松井が優勝を意識し過ぎ、動けなかった事があります。そこには窓場が新山に抵抗する事に期待した事があるかも知れません。しかし窓場は自在選手です。松井は動きながら位置を作る事が出来無かった事が地元勢の敗因でしょう。新山の迷いない先行。そして窓場の堂々たるレース内容は一流選手の仲間入りを果たしたと言えます。 平塚は不公平なぐらい先行有利なバンクです。すんなり先行の新山を5番手から捲った窓場は今後も目を離せない存在です。

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