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車券推理の極意 2024全日本選抜競輪「決勝」
解説&分析 2024.02.14

車券推理の極意 2024全日本選抜競輪「決勝」

#レース予想の極意

今年もGI戦線が始まります。昨年は新しい風が吹き始め、その事が本格化しつつあった年です。 今年は更に加速して新しい風が吹くと思われます。S級S班も今までになくふるいに掛けられる一年の始まりです。

全日本選抜は古性優作が現在2連覇中。けれん味の無いレースは相変わらず。盟友とも言うべき脇本雄太が諸刃の剣ではありますが、やはり古性が中心のシリーズです。全体的に本格 先行選手が減り、流動的な自在選手が増えています。その流れの中で、強引に展開を変えて行く選手は目立ち活躍します。そんな選手が出て来る事を期待したいシリーズでもあります。

初日。出来の良さをアピールしたのは北井佑季。突っ張り先行で逃げ切り。上がりタイムも良く、今節のメンバーの中で1.2の出来と感じました。そして2日目。北井は初日の内容が生きた。突っ張りからの 3番手捲りで、郡司を振り切りました。他では犬伏のタイミングも合わない中で、新山を捲った力業は圧巻でした。そして迎えた準決勝。10R。脇本雄と北井佑の叩き合い。脇本が制しましたが、北井がいなした感じです。攻め幅の差が結果に繋がった。先行からの変化はやはり突っ張りが必要。この事を脇本が理解しない限り、この準決勝のように、やはり力に頼る競走にこれからもなるでしょう。11R。外枠の清水には苦しい展開でありました。寺崎がカマシ先行。新山中団。後方になった清水の踏み出しはここ最近の成績を裏付け、そこから新山の仕掛けに追い上げる形。苦しいレースであったが総合力の高さで凌ぎました。12R犬伏湧が力勝負を避けた4番手取り。しかし古性がいる以上この選択には無理がある。その4番手に追い上げた古性。ただ内ががら空き、流れで番手を取り決着。隙のない古性でありました。準決勝を終え決勝メンバーが出揃った。北井、郡司、松谷の神奈川ライン。古性、南の大阪ライン。清水、山田の西日本ライン。そして北日本一人になった新山に地元地区の浅井が付ける4分戦となりました。

 

「決勝」展開予想

前受けは北井率いる神奈川ライン。その後ろが1番車の新山ライン。そして車番なりに、大阪勢に清水ラインとなる。まず新山ライン。浅井を新山がどう見ているかであるが、地区も違う事と、車番も1番車で良い位置が取れそうなので、勝ちに行くと思う。展開的には清水が後方となり、清水が動き出さなければならない。しかし北井は合わせに行く。仮に引くなら合わす素振りも見せず引く。なぜなら中途半端に引けば、清水が切り古性が更に動く。ペースは上がらず内に詰まる可能性があり、そこで新山がカマせば万事休すとなる。素早く下げればまだチャンスは残るからだ。基本は北井の突っ張りで郡司優位。新山も車番を活かし4番手をしっかり確保出来ればチャンスはある。ただ古性がいるだけに難しい位置になるかもだ。そしてその古性だが、準決勝は流れの中で番手に行ったが、ここは神奈川ライン3番手の松谷がしっかり内を締めているだろう。しかし上手く4番手を取れば力勝負で郡司に迫る。後は清水。位置も悪くここも苦しい展開だが、ここまでの流れを活かしたい。潰したくないと言った方が正解かも知れませんが、ワンチャンスを逃さない事が大事になる。もつれれば北井の完全優勝になる。

車券的推理予想 9=6ー523 9=2ー675 2=7ー93

結果 9-3-6 98.9倍(27番人気)

 

レース経過

前受けに古性ライン。そして清水ラインが続く。その後ろが新山ラインで、後方が北井ラインとなった。古性がスタート取りに行ったので、北井が前受けしたかったのかどうか分からなくなったが、予想とは違った並びで周回。この並びでは新山が先に前団を切って、北井を迎え入れ、4 番手2コーナー捲り勝負かと思いました。しかし北井の動き出しに反応しなかった。これは少し油断したのか、それとも北井を行かしての作戦だったのかである。そして北井が赤板で前団を叩く。3番手にいた清水がこの動きに合わせ古性を切り4番手確保。古性が前に踏んで清水に抵抗するかと思ったが、あっさり下げた。打鐘で新山がカマス。番手浅井がちぎれ単騎カマシとなる。北井は冷静に番手に入る。このまま行けば北井の優勝かと思えた。ただし番手を活かし遅めの踏み込みでである。しかしバックから北井は捲りに行った。少しタイミングが合ってない様にも見えたが、ライン3車の責任と、先行選手の意地を感じました。北井が仕掛けた事で郡司が1番近い位置になる。そして神奈川ラインの後ろを確保していた清水が仕掛ける。鋭い踏み出しで優勝かとも思った。今シーズンの清水は踏み出し抜群だが、4コーナーから少しスピードが鈍っていました。出足重視の練習で少し粘り系の練習が出来なかったのかも知れない。郡司が番手から追い込み優勝したレースでした。

今シーズンは何と言っても北井の躍進、躍動でありました。前受けからの突っ張り先行。叩かれれば、位置を狙う競走スタイルは番手を回る選手にとっては1番心強く、安心感のある走り方です。 近い将来オールドルーキーのタイトル奪取も感じさせてくれました。そして清水のキレも抜群でした。これから粘りが復活すれば、こちらも楽しみです。期待した若手選手は決勝には姿がなかった。今回の走りを見ていると勢いでの勝ち上がりから、真の実力での勝ち上がりに移行して来たと思います。経験不足と勝ちに対する重圧が芽生えて来たのかも知れません。次回以降に期待です。

そして優勝した郡司。今年はS級S班から陥落してのスタートとなりましたが、北井、松井、深谷と大駒が揃って来て、チャンスが更に増えそうな1年でしょう。

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