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車券推理 読売新聞社杯全日本選抜競輪2023高知「決勝」
解説&分析 2023.03.01

車券推理 読売新聞社杯全日本選抜競輪2023高知「決勝」

#レース予想の極意

今年最初のGⅠ全日本選抜は久々に高知での開催となりました。冬の開催でありますが、高知では春先ぐらいの気温も期待されるシリーズでした。そして何と言ってもこの高知は独特のバンクです。スタンドの迫力もありますが、バンクの中に陸上の400mトラックを入れた事により、非常に癖のあるバンクになっています。今現在のほとんどの競輪場のバンクは、直線の長さやカントの違いぐらいで、スムーズで走り易い形状です。しかしここはこのバンクを攻略できるかいなかで、結果は大きく変わります。それは選手にも車券にも関わってきます。まず直線は30mラインから、ゴールまでです。500バンクなので、直線が長いと思われがちですが、それは間違いの始まりです。緩やかにずっと丸いです。そしてコーナーが歪。どのレースを見ても分かる様に3コーナーの入り口は余程力の差がない限り外は遅れます。見た目上は仕掛けているのに、自転車が伸びてない様に見えています。そして4コーナーは急に曲がるので、外が一気に遅れます。そこを我慢出来れば、もしくは勢い良く入って来れるなら後は伸びます。番手はいつまでも曲線が続いているので、抜くタイミングを掴みづらい事があります。今回も名のある選手の箱3を何度か見ました。それらの要素があり逃げ切り易い500バンクでもあります。勝負は3コーナー突っ込むまでにいかにいい位置を取り、抜くスペースを確保しておくかです。そんな特徴的なバンクでの開催で、 選手には普段と違い別の要素が求められたGⅠとも言えます。脇本、新田は展開もありますが、早めに仕掛けています。それがこのバンクの全てとも言えます。

この両者はここに入るまで、脇本は途中欠場。新田は力強い走りを続けています。対照的ではありますが、決勝まで勝ち上がってます。決勝には自力型はこの2人のみになりました。逆に言えば、その他の先行選手がこのバンクを攻略出来なかった。もしくは普段通り走っていて勝ち上がれなかったとも言えます。

決勝は脇本、新田この両者の状況がレースに大きく影響します。決勝メンバーは近畿が3車、北日本も3車。吉澤に香川が付け、浅井が単騎です。自力は2車。ここも、現在の競輪が単純化している事が表れています。目標があって勝ち上がって来た選手が、決勝では目標がいない。それなら攻めるべきですが、おそらくなだれ込みでしょう。決勝は単純な二分戦となりました。

展開予想

スタートは脇本が出れば、新田は2番車なので4番手になり、枠なりに浅井、吉澤ライン。なぜ脇本がスタートなのか。まず出来の良い選手は古性、新田、吉澤の順。脇本はネガティブなコメントはいつも通りだが、今回はグランプリの時と比べれば良くない。ならば抜かれても良いつもりでカマシ先行したいと考える。脇本自身は出来が良ければいつでも勝てると考えていると思う。新田が前受けなら押さえ先行になるので、やはり前受け選択。後方の吉澤が脇本を切り、浅井が続く。新田としてもこの展開が良い。なぜなら、その吉澤を切れば4番手確保出来る。新田の先行があるかないかなら、それはない。今回逃げて4着に沈んでいる事があるのと、ここは1着のレースだからです。新田は出来が良いだけに勝ちたいはず。そして吉澤を新田が切る。この時点で最終ホーム。そこで脇本が仕掛ける。タイミング次第では新田の飛び付きもあるが、古性相手では分が悪い。おそらく4番手。そこから2コーナー捲りを放てれば新田にも勝機が訪れるが、3コーナー捲りなら古性に捌かれる。このバンクは捌きやすい。新田が2センター過ぎからの捲り追い込みなら新田もあるが、ラインが3車だけにそれは出来ないか。2021年のオールスターでは仕掛けなかったので、それもあるか。しかしやはり古性が抜け出し連覇達成。

 車券的推理予想 7-1-829 7-8-129 7=2-789 7-9-182

結果 7-9-8 66.3倍(17番人気)

レース経過

新田が前受け。その後ろに浅井、吉澤と続き、脇本ラインが後ろになった。なぜ新田は前受けを選択したのだろう。吉澤に切られたら終わりである。しかし吉澤は切らなかった事で、新田も思惑通りのイン粘りになった。しかし古性に競り負けた。そこから浅井が仕掛けるが、このバンクではあのタイミングでは捲れない。そして4コーナーから古性が抜け出し優勝。ラインで三谷が続くと思ったが、自力型なので内が甘く、その内を抜け出した守澤となった。

新田の前受けにまず疑問。そして和歌山記念でも古性に競り負けていますが、脇本相手でこのバンクならと考えた末のイン粘りだったと思います。出来が良いだけに勝ちたかったはずです。新田は前に進む為だけのセッティングです。あれだけハンドルが高いと競る相手からすると懐中に入りやすく、負ける要素が減ります。そしてこのバンクから来るレース形態もあり内競りが不利なバンクです。脚を使わずに一か八かの作戦なら、それもありです。しかしその場合は手詰まり状態と言えます。ラインが脇本、古性と本来のライン形成です。自力、自力と並ぶラインとは違います。 近畿2人が上手く機能したレースでした。

古性は初日のレースで気迫と出来で、他を圧倒しました。それが結果に大きく影響したシリーズでした。

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