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内林久徳の「車券推理の極意」寬仁親王牌「決勝」 前橋2022
解説&分析 2022.10.26

内林久徳の「車券推理の極意」寬仁親王牌「決勝」 前橋2022

#レース予想の極意

今年は前橋での寬仁親王牌。やはり主導権争いがポイントとなる33バンク。勿論先行が有利ですが、それだけに主導権争いは激しくなります。33バンクはもがく距離が必然的に長くなり、結果として先行した選手が持たないレースが多いです。その中でも前橋開催ではブレークする若手先行選手もいます。それは果たして誰なのかも注目です。

今開催には脇本雄太に参加資格が無く姿がありません。そして世界選手権組は前検日の前日に帰国し、強行参加となりました。バンクはスピードのある選手に味方しますが、しっかり力を発揮出来るかどうかです。

今年も全日本プロ選手権が行われなかったため、初日日競選理事長杯は昨年のグランプリ選手9名でのレース。グランプリでは単騎の古性優作が鮮やかに捲り優勝しましたが、同じメンバーで結果はどうなるかでした。選手個々の状況も変化しています。その事で並びも変わりました。古性に守澤太志が付きました。レースは松浦悠士が上手く立ち回り、番手にハマりそこから捲り、番手の清水裕友が1着。

そして2日目ローズカップでは中国勢の並びが逆になり清水が自力勝負です。この所の清水は精彩を欠いている 感じです。山崎賢人と新田祐大のもがき合いもありましたが、清水が捲り切り番手の松浦が1着。清水が久々に輝きを見せました。

2日目を終え若手先行選手で準決勝に勝ち上がったのは、吉田有希1人になりました。ここ数年は全プロが開催されていないため、若手の機動型が参加しづらくなっている事が影響していると思います。

3日目準決勝は位置が重要となりました。

10Rは吉田の後ろを取り切った松浦。

11Rはしっかり3番手キープから切り替えた古性。

12Rは位置の取り合いが激しくなり後方の選手が生きたが、その位置取り争いは見応えがありました。

決勝は4分戦。本格先行不在の一戦です。ラインが長いのは北日本ですが、新田は賞金ランキング的に一発を狙うでしょう。勝てばグランドスラム達成にもなりますから更にその事は言えます。松浦のカマシはある。しかし誰かしらが仕掛けてから。古性は位置取りで長けています。やはり吉田の先行になるかですね。

展開予想

新田率いる北日本が前受け。そして関東か大阪勢。後方が松浦ライン。松浦が外枠になり最初に動く。そこに古性は位置次第だが、後方なら更に上を切るか、前なら突っぱね上昇し吉田の上がりを待つ。何にしても古性が中団をキープする。スタートは古性がいつも4番手を選ぶが、ここでは6番手の方が脚を使わない。古性がスタートでどちらを選択するかです。何にしても3番手を取りに行く。ただ松浦のコメントが気になります。いつも自力ですが、ここは自在です。吉田が仕掛けた所を打鐘で叩きに行く形と思いますが、少し引っ掛かります。確かに叩きに行き古性が捌かなかったら新田の行き頃でもあります。それなら3番手争いを古性とするのかです。新田の仕掛けには平原が対応してくれるので、それもアリかもです。新田はライン3車ですが、やはりグランプリとグランドスラムを意識しての走りになると思います。この所の新田は末が甘いと感じています。その事も含め、やはりスタート取っての捲り勝負でしょう。結論として古性が3番手を取り、 捌いて捲る。

車券的推理予想 1-8=925 1=9-842 1=2-859

結果

9-3-5 283.9倍(113番人気)

レース経過

前受けに関東勢。そして松浦ラインで、大阪勢。後方に新田率いる北日本ラインで周回を重ねる。そして後方にいた新田が上昇し、古性が更に切る。新田は後方であったため、一旦動いての形だったが、古性は3番手を狙っての動きだったと思います。ただ松浦、吉田が仕掛けて来なかった事で、徐々に先行も考えたと思います。この時に3番手にいた新田が被るのを避けたいのか、車間を切りました。そこに後方8番手になった吉田が来ました。追い上げのつもりではなく、吉田も先行を考えてだと思います。しかし古性が先行モードになっていた事と、車間が空いていた事で3 番手に入りました。新田はあのまましっかり古性ラインを追走していたら、3番手捲りで優勝の確率は高かったでしょう。そして後方になった松浦も仕掛けて来ましたが、完全に古性が先行態勢。一番横が弱い新田の所に降りたのは当然です。その流れで松浦も内を突いて行きました。新田はしごかれながら権利無しに見えました。最終2センターで古性が外に振った時に、稲川が差し込んでいた。もしくは踏み込んでいて差し込んで古性の振りで内がガラ空きになりました。そこで死に体だった新田が復活し、一気に内を突き抜けて優勝です。2着には新田を見切った守澤が捲って入着。3着には松浦の結果です。

勝った新田は完全に負けレースでしたが、チャンピオンロードが出来、そこを突き抜け優勝です。 それと同時にグランドスラム達成の偉業です。内容は負け戦さでしたが、結果は最高でした。レース自体は本格先行不在で混沌とした形でした。33バンクで本格先行不在。その原因はやはり、簡単に番手捲りを放つレースが多い。またそれに頼っている選手が多い事です。準決勝の眞杉は残っても不思議でないレースでした。吉田に行かれたので、踏めなくなりましたが、3コーナーまで吉田が踏ん張れば良いだけだったと思います。仮に吉田が眞杉をかばっていたなら、決勝では吉田と平原の折り返しになったと思います。準決勝も優勝を見据えて走る事は大事です。それが出来れば タイトル量産も有り得ます。今後の成長に期待したいです。そして本格先行のバトルを楽しみにしたいと思います。

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