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内林久徳の「車券推理の極意」 共同通信社杯競輪「決勝」2022名古屋
解説&分析 2022.09.21

内林久徳の「車券推理の極意」 共同通信社杯競輪「決勝」2022名古屋

#レース予想の極意

昨年は山口拳矢が鮮やかなまくりで優勝を決めた共同通信社杯競輪。

このシリーズを境に一気にグランプリシート争いは加速していきます。

ある意味佳境の一戦です。

今年の舞台は名古屋。掛かり切るバンク。オールスターの西武園とは違いますが、ここも先行有利。

例年通り、勝ち上がりは二次予選まで自動番組。

競輪は積み上げられたものがあり番組が成り立ちます。しかし、ここにはそれが無い。

それだけに選手の真価が問われるレースがあるでしょう。

初日

犬伏湧也は先行一車でありましたが、上がりタイムも非常に良く、今回非常に楽しみになっていました。その番手で、清水と南が競り。見応えがありましたが決着まではいかなかったかなと思います。そしてほぼ上位陣もしっかり勝ち上がり。中でも絶対王者と言うべき脇本も、圧巻の勝利。このまま優勝まで突き進んで行くと感じました。

2日目

二次予選はAが5着、Bが3着権利。自動番組はここまでです。Aは豪華メンバーでかなり厳しい番組。Bは力の差があり車券的には買い易いメンバーでした。

10Rは眞杉対犬伏の注目の一戦。実績は眞杉が残していますが、勢いは犬伏です。しかし残念な事に犬伏が不用意な落車で単調なレースに様変わりし、眞杉ラインが制圧した結果でした。

11Rは注目の中野。その番手が飯野で、3番手が守澤の北日本。対して清水、松浦ライン、古性ラインそして吉田有希ラインです。一見中野対吉田ラインでした。しかし中野の番手は飯野です。ここまでの自力で戦っていた事からか守澤が3番手です。飯野を守澤が立てた並びですが、中野を無視した様な並びです。番手捲りありきならこの並びでいいのでしょうが、そうではないです。ライン構成としては崩れ易い並びです。それに加え古性、清水がいます。レースはその弱点をついた清水が番手を奪って、3コーナー手前から捲りました。やはり先行選手を活かすのは番手の選手です。守澤がS級S 班でもあり回るべきです。

そして最終12Rは脇本が6着敗退の波乱。脇本が構えすぎ捲り一辺倒で他のラインが走り易くなっている事はありました。

3日目準決勝

10R郡司が抜群の動き。番手和田には前走の青森記念で交わされていましたが、ここは振り切りました。上積みありでした。

11Rは森田が先行。太田がタイミングを計って仕掛けようとしましたが、新田がそれを阻止し関東優位で決着です。

12Rは眞杉の番手が坂井。古性や松浦にとってはやり易い並びです。古性がイン粘り。平原が先に勝ち上がっているので別線は眞杉を残す訳にはいきません。それを理解している眞杉は流しました。そこを松浦に叩かれました。そこから古性の切り替えも見事でしたが、4コーナーで浮いた小倉が降りてきて落車。これは仕方ない。ここもやはりラインの厚みが結果になりました。

結果、決勝は本格先行不在の一戦です。

現在の置かれている立場から考えると、郡司は賞金ランキング10位で勝てば一気に浮上です。先行なら和田に抜かれます。平原は1番車で中団確保し易い状況。松浦はほぼグランプリ当確です。松浦以外は勝ちたい気持ちが強いです。メンバー的にこのレースの仕掛けは遅くなります。

展開予想

前受けは松浦、柏野の中国ライン。そして単騎の佐藤。おそらく佐藤はこの位置。そして1番車を 活かして平原、武藤、神山の関東ライン。後方が郡司、和田、内藤の神奈川ラインで周回。まず郡司から動き、そこを平原が切る。松浦は7番手まで下げるが、タイミングを計る。そしてホーム線を目指して仕掛ける。松浦の番手は柏野だが松浦を交わす出来ではない。佐藤がこの位置を奪う事もある。平原が4番手をキープするが、少し松浦待ちで脚を使っている。郡司が早く態勢を整えているなら捲るチャンスもあるが、松浦の仕掛けが遅いだけに疑問。そして松浦が逃げ切る。もし佐藤が脚を使わず番手を奪っているなら佐藤もあり得る。すんなりなら柏野、佐藤、平原、郡司 で2.3着争い。

車券的推理予想  2-1673-1673

結果

3-8-9 1491.0倍(293)

レース経過

前受けが平原ライン。中団が松浦ラインで佐藤がこれに続く。そして郡司ラインで周回。赤板で郡司が動き出したが、少し遅め。おそらく先行と最初から決めていたと感じる。そして打鐘でもいいペースで踏んだ。そして松浦の仕掛けとなるが、打鐘4コーナーの仕掛けと決めていたと思う。そこから仕掛けた松浦だが郡司がホーム5メートルの追い風もあり掛かっていた。バックで番手和田の所では松浦のスピードは鈍り始め。和田の捌き頃になった。しかし和田の経験不足が落車に繋がる事になった。3コーナー入り口なので、テクニックがある選手は楽に捌ける。もたついた事で内に選手が突っ込んで落車。捌けていれば和田の優勝だったと思う。逃げ切った郡司は初の自力優勝で決着。

今シリーズも絶対王者・脇本を誰が倒すのか、という興味もありました。しかし二次予選で敗退。出来もありますが、脇本対策は見えて来ました。そしてここからのGⅠはドームが続き先行有利です。それに脇本がどの様に対処するかです。

そして優勝した郡司はグランプリに一気に近づき、初の自力で結果を残した事は大きいです。

ここから先、グランプリシートを巡っての戦いが激化して行きます。楽しみにしましょう。

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