10月25日の午後8時過ぎ。車券購入と夕食を終え、冷えたシードルを飲みながら、青森ミッドナイト競輪1Rのガールズ予選2を待っていました。
シードルはりんごを発酵させた醸造酒で、「りんごの季節だし、青森競輪やるなら、シードルでしょ」と、娘が買ってきました。母娘とは恐ろしいもので、私は私でスーパーに美味しそうな紅玉があったので、夕食に豚肉とりんごのソテーを作っていたのでした。それに焼きりんごも。「今夜の我が家はりんご祭りだね」と娘。残ったりんごはテーブルの上に並べていました。と、このときまでは、これから起こることなんて想像もしていなかったのです。
青森競輪のミッドナイトは24日から始まっていました。
今回の注目は奥井迪さん。106期のビッグネーム。東京の先行選手で、ガールズグランプリ出場5回の44歳。奥井さんがいるレースは、見ている方も「逃げるのは奥井さん」と思うはず。たぶん走っている選手たちも、そう考えてレースを組み立てているのでしょう。私みたいな素人でも、走っている姿を見て、骨格や体幹がしっかりしているなあと感じます。先行して、残り半周を切ると、何回か顔が上がります。あとどのくらい、あとどれくらい、と懸命に頑張る姿に、頑張れ、頑張れと、顔が上がるたびにこちらも力が入ります。
昨年4月、私がガールズケイリンに出会ったころの奥井さんは、予選はまくりか先行で勝って、決勝ではほとんど確定板に載っているイメージでした。そのころに比べると、今年は納得のいかない成績だと思います。今のところ優勝は3月の玉野と9月の松山の2回。そして前回の広島は予選1が3着、予選2が5着で決勝に進めませんでした。娘の調べでは、大きな大会以外では、2023年4月の四日市4日制で決勝を外して以来、3年半ぶりとか。このピンチにどんな走りを見せてくれるんだろう、奥井さん。
今シリーズは競走得点57点台の小林優香さんが欠場して、54点台から52点台までの選手が5人いる激戦シリーズ。
初日の予選1を振り返ってみます。
①松井優佳 ②奥井 迪 ③杉浦菜留 ④池原 杏 ⑤青木美優 ⑥浦部郁里 ⑦松下彩也香
逃げた奥井さんの後ろに飛びついた松井さんが直線で奥井さんを差して1着。奥井さんが2着に逃げ粘って、3着は松井さんについていた青木さん。3連単は①②⑤で3560円。これはゲット。好配当で喜び合う母娘。前検日もこのレース後も、お腹に力が入らないとコメントしていた奥井さんの状態はよくないんでしょうけど…。
そして今日の予選2がスタートしました。
①岡田優歩 ②奥井 迪 ③杉浦菜留 ④篠崎新純 ⑤青木美優 ⑥浦部郁里 ⑦刈込奈那
このレースで起こったことを私は一生忘れないでしょう。
岡田さんが先頭に立つと、奥井さんが最終ホームからたたきにいきました。私は岡田さんが奥井さんを迎え入れるものと思っていたのですが、なんと岡田さんは奥井さんを出させまいと逃げて、岡田さんと奥井さんが先行争い。母娘はアーッと絶叫。最終バックから杉浦さんがまくってきて、2センターで岡田さんが外帯線を外すと、岡田さんと接触した奥井さんが落車。母娘はここでも叫びます。空いた内を篠崎さんが突き抜けたときには母娘の頭は大混乱。篠崎さんが1着で、杉浦さんが2着。外を伸びた刈込さんが3着。3連単は④③⑦で179万3250円。これまでの144万5400円を抜いて、ガールズケイリンでは史上最高額の配当。それを目の前のタブレットで見た衝撃。

奥井さんが落車したときに立ち上がった私。その拍子にテーブルの上に置いてあったりんごがゆっくりころがって床に落ちました。ニュートンはりんごが木から落ちるのを見て、万有引力の着想を得たといわれますが、私はただ茫然。配当が発表されて、競輪に絶対はないし、仰天することだって起きるんだと発見しました。
心配なのは落車した奥井さんと浦部さんです。浦部さんは再乗しましたが、奥井さんは胸を強打したみたいで、骨折もあったよう。今回が初めての落車だったらしい奥井さん。私は応援するしかない身なので、多くは言えません。まずはしっかりケガを治してください。そしてまたぜひ立ち上がってほしい。