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編集部コラム KEIRIN ON MY MIND
特集 2026.10.21

編集部コラム KEIRIN ON MY MIND

競輪場のラーメン店のすっかり常連になったOL3人組と一緒に新潟県弥彦村にやってきた。今日は10月12日で、寬仁親王牌の最終日。運転手はやはり常連のタナカ君。この4人はよほどこの村が気に入ったのか、弥彦競輪日帰りツアーが毎年恒例になっている。1回は一緒に行ったことがあるけど、往復9時間超の強行軍は、女性陣のかしましさも加わって、ぐったりきたので昨年は行かなかった。

今月初めの松阪記念のときに、4人でこのツアーの計画を練っていたから、「俺も行く」と声をかけた。先月末に亡くなった諸橋愛の献花台が弥彦競輪場内に設置されていると聞いたから。ちょっと顔を出したかったんだ。

諸橋は40歳すぎてから本格化した新潟の追い込み選手。最終バックを過ぎ、最後の2センター。まくりに対するけん制などで、隊列が乱れると、この一瞬を逃さず、わずかのコースを突いていくのが真骨頂だった。伏見俊昭といい、諸橋といい、辛すぎるよ。

車内では決勝の話で盛り上がった。わかっていたことだけど、彼女たちは、石原颯推し。「あのルックスは悔しいけど認めるよ。と言ったら、彼女たちから、「どうして上から目線なの」、「はやては先行だってすごい」と総攻撃。タナカくんが地雷踏みましたねと笑ってる。はやてって、友だちか。でも俺は女性が競輪を好きになってくれるのを好ましく思っているのだよ。

1R前に到着したのに周辺の駐車場をもう混み合ってた。すごいな。帰りのことも考えて、少し離れた、おもてなし広場ってところの駐車場へ。近くのホールで過去の寬仁親王牌の展示を見てたら、眼がとろんとしてきた。俺だけ仮眠をとることに。まったくだらしないな。歩いて10分のところで競輪やってるのに。

12時すぎに競輪場内で彼女たちと合流。まずは諸橋の献花台に向かって、頭を下げた。ほんとうにいなくなっちゃったんだなと実感がわいてきた。ОL3人組も神妙の顔をしてる。

よし少し買ってみようか。5Rは⑨根田空史に乗っていく③小原太樹が突っ込んでくる車券を買ったが、結果は①⑨⑦5万2930円で外れ。8Rは④後藤大輝の動きがいいので、この先行に乗る③嘉永泰斗で間違いないと女性軍に教えてあげた。彼女たちは⑦脇本雄太さんでしょと聞く耳をもたない。結果は脇本、①山田久徳、⑧岡崎智哉の⑦①⑧一番人気の2470円で決まり、俺の立場はない。

でも決勝は大穴を狙っていた。阿部力也だ。宮城の追い込み選手で、100期の38歳。シャープな差し脚が武器だ。4場所前の前橋記念で決勝に乗り、いわき平FⅠは準優勝、そして2場所前の伊東GⅢは優勝している。前回の松阪記念もよかったし、今回も差し脚は引き続き切れている。準決勝は競輪場へ行けず、ネットで買う予定だったが買い損ねた。11Rで松本貴治と犬伏湧也の間を割った阿部が2着に突っ込んできて、3連単は9万1430円。これは痛恨のミス。あとを引きそうだったんで、今日は買い控えるつもりでしたが…。もちろん決勝は買うよ。

 阿部力也を1着、2着にして100円ずつ流して、ちょうど5000円。実はここへ来る前に見た、過去の寬仁親王牌の展示。2015年の決勝であいたコースを突き抜けた園田匠(やはり8番車だった)の写真を見て閃くものがあったし、諸橋みたいに突っ込んでくるのは、このメンバーなら阿部力也でしょ、とОL3人組にうんちくをたれたが、タナカ君も味方につけた彼女たちは石原颯と松本貴治のワンツーでまったくぶれない。

レースは犬伏湧也が最終ホームで木村皆斗を叩いて先行。続いた石原が番手まくりを放って優勝し、松本が続いて2着。吉田拓矢が郡司浩平との踏み合いに勝って3着。3連単は③⑨②2380円。阿部力也は郡司浩平の3番手にいてコースがあかず7着。でもFⅠを挟んで、競輪祭でも狙ってみたいな。

横ではしゃぐタナカ君と女性たち。こちらは惨敗。いつもなら最後はオチをつけて終わるのだが、今回は諸橋愛の言葉で締めようと思う。雪が降らない地区の選手たちを羨ましくないかと問われたときに答えたもの。生まれ育った土地へのリスペクト、そこで生きることの誇りを語っているように、俺には聞こえる。

「新潟は冬は寒く、雪も積もって、外で何カ月も練習ができなくなります。ハンデのある土地ですが、この環境の中で強くなりたいんです。寒くなってくると、バンクでモガいたときには冷気が肺の中に入る。すごく苦しいけど、これが俺は好きなんです」。

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