須藤が2021年10月の大宮以来、約5年ぶりの優勝を決めた。「相当昔の話なんで正確には覚えていないんですよ。大宮だということは覚えているのですが」と本人の記憶も定かでないほど、久しぶりの優勝だった。
初日特選は即席ラインの3番手を回り、4コーナーを回って内に切り込んだが5着。「自分でも驚きました。自分の展開になったのに、車が全然出なくて」と終わった直後はショックがありありだった。「セッティングをいじったんです。サドルもハンドルも高くして走ったのですが、それが裏目に出た感じでした」。2日目の準決勝は元のセッティングに戻した。埼玉の木村優駿の番手を得て、絶好の展開に持ち込んだのだが、木村を差せず2着。だが、いいスピードで捲ってきた藤井優希を一発で止めるなど、番手の仕事はしっかりこなした。差せなかったとはいえ、逃げ切った木村を褒めるべきで、須藤は役割を果たした。
決勝は三浦雄大が木村の番手を回り、須藤は3番手。木村が主導権を握り、捲ってきた吉堂将規を三浦がブロックした瞬間、須藤は内に切り込み、直線で抜け出した。「開催中は優勝できるイメージが湧かなかったんですが、体が自然と動いてくれました。2日目からセッティングを元に戻したのも良かったです」。配分が詰まり「納得いく練習はできていなかった」中での優勝だった。7月にS級から降級して7開催目であった。8開催目の青森はオール3着だったが、安定したレース運びは見ていて安心できるものがあった。
オフはもっぱら家族と過ごし、それがモチベーションになっている。37歳の須藤は、今後の目標について「S級に定着することですね」と真剣な眼差しで答えた。今回の優勝でもそうだが、修正する能力は高い。番手を回れば当然のように自力型をかばい、強烈なブロックを見せ、援護射撃する。
「自分は与えられた仕事をするだけです」。
決して大きなことを言わないが、レースではやるべきことをやれる選手である。