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第77回高松宮記念杯競輪 GⅠ展望
レース展望 2026.06.03

第77回高松宮記念杯競輪 GⅠ展望

#グレードレース展望

第77回高松宮記念杯競輪が今年も岸和田競輪場で開催される。6日制のGⅠで前半3日間はガールズケイリンのGⅠ・第4回パールカップとの同時開催だ。一次予選から準決勝までは東日本地区と西日本地区の選手がそれぞれの地区のレースに分かれて戦う伝統の東西対抗戦で、東西2個ずつ、計4個レースの準決勝を勝ち上がった9名が決勝戦で初めて相まみえ、雌雄を決することになる。4月の日本選手権で単騎戦ながら初制覇を飾った地元の古性優作が今回も中心になりそうだが、選手層の厚い関東勢も強力で、グランプリ覇者の郡司浩平率いる南関東勢や近況勢いを増してきた中四国勢の逆転も侮れない。

勢いは関東だが、うまく結束できるかどうかがカギだ

東日本は北日本、関東、南関東の3地区の戦いで、近況の勢いから関東が中心になりそうだ。ただ、関東は層が厚いだけに、埼京勢、栃茨勢、新潟や群馬などの上甲信越勢が別線で戦わざるを得ないケースも多く、どこまでシビアになれるかがカギとなる。昨年の大会の関東の優出者は山梨の末木浩二ひとりで、一昨年の優出者も群馬の小林泰正ひとりだった。その点、静岡、神奈川、千葉でしっかりまとまる南関東勢のほうが優勢と言えるだろうし、近況は機動力不足に悩んでいる北日本勢にも付け入る隙があるだろう。

北日本は菅田壱道が3月のウィナーズカップでただひとり優出も単騎戦の決勝は8着、日本選手権では菅田壱道と渡部幸訓の2人が優出するが、決勝では別線の強力ラインに対抗できず渡部が6着、菅田が7着だった。勝ち上がり戦では新山響平や中石湊が菅田と渡部の勝ち上がりをアシストしていたが、彼らが一緒に勝ち上がれなかったので苦しい戦いが続いている。高松宮記念杯も昨年は北日本からの優出はゼロ、一昨年は新山響平ひとりと寂しい状況が続いており、北日本の機動力型の奮起に期待したい。

吉田拓矢は昨年5月の日本選手権では眞杉匠の捲りを差して初優勝しているが、今年の日本選手権では佐々木悠葵-吉田拓矢-眞杉匠の並びで結束も残念ながら古性優作に優勝をさらわれてしまった。それでも吉田は1着こそなかったが、連日の苦しい展開から2着に突っ込んでの勝ち上がりと相変わらず好調だ。次場所の全プロ記念の初日優秀では眞杉が前で、吉田が番手捲りで勝ち星を挙げており、今回も眞杉と吉田の前後の並びがどうなるかに注目したい。

郡司浩平は日本選手権では準決で無念の落車、次場所の函館記念を欠場して落車の影響が心配されたが、全プロ記念で元気な姿を見せてファンを安心させた。初日優秀では郡司浩平-深谷知広の並びで組み立てに失敗して8番手となったが、そこから猛然と捲って深谷が2着、郡司が3着だった。スーパープロピストレーサー賞も郡司-深谷の並びで郡司は前受けから突っ張り先行を敢行、深谷が初優勝を決めている。高松宮記念杯は2022年から4年連続で決勝進出と相性のいい大会で、今回も深谷とともに勝ち上がりを目指す。

菅田壱道 宮城 91期
吉田拓矢 茨城 107期
郡司浩平 神奈川 99期

西

充実の機動力を味方に古性優作が3度目の優勝を目指す

西日本は中部、近畿、中国、四国、九州の選手たちによる戦いで、古性優作率いる近畿勢が中心だ。5月の日本選手権決勝では古性が単騎戦で優勝を飾っている上に、近畿は機動力も充実しており、まさに鬼に金棒の状態だ。機動力では中国、四国も負けていないが、普段は連係している中国と四国が叩き合わざるを得ないケースが多いのがマイナスポイントになってくる。九州はベテラン荒井崇博の頑張りに応えるように機動力型も積極的な走りを見せていて侮れず、厳しい状況が続く中部勢の一発にも期待してみたい。

中部は今回も厳しい戦いになるだろう。昨年の大会では皿屋豊と浅井康太の2人が準決まで勝ち上がったが、準決では寺崎浩平の機動力に屈して敗れ去った。一昨年は志智俊夫が藤井侑吾の逃げに乗って予選を2連勝で勝ち上がったが準決で敗れている。近畿や中四国の機動力が強力で予選ならば先行勝負でも通用するが準決となると真っ向勝負では太刀打ちできないので、ここはやはり2月の全日本選抜で優出、全プロ競技大会のケイリンで2年ぶり3回目の優勝と好調を維持している山口拳矢の自在戦に期待してみたい。

古性優作は昨年GⅠの優勝がなく、かなり落ち込んでいた時期もあったが、3月のウィナーズカップでも決勝に進出して存在感を見せると、5月の日本選手権で初優勝を達成し、悲願のグランプリスラムに王手をかけた。決勝は単騎だったが、常に好位置をキープしながら脚をため、勝負どころでは吉田拓矢の番手を奪っての差し切りとまさに古性の真骨頂といえる走りを見せた。もちろん今回も地元ファンの声援を力に2022年、2023年に続く3度目の高松宮記念杯優勝を狙っていく。

中国は太田海也の機動力が強力だ。2月の全日本選抜では準決で郡司浩平-深谷知広-松谷秀幸の南関東ライン、杉浦侑吾-眞杉匠の栃木コンビらを相手に先行して惜しくも4着に敗れたが松浦悠士の1着に貢献、日本選手権の準決も眞杉匠-吉田拓矢の栃茨コンビを相手に突っ張り先行を敢行、自身は5着ながら取鳥雄吾をGⅠ初優出へ導いた。昨年の高松宮記念杯の準決も脇本雄太に捲られながらも2着に粘り3着の清水裕友と一緒に勝ち上がっており、今年も中国勢の頼れる先導役となるだろう。

四国は犬伏湧也のパワーあふれる走りに期待したい。日本選手権では二次予選敗退となったが、次場所の函館記念決勝は捲りの2着で松浦悠士とワンツーを決めている。全プロ記念の初日優秀では寺崎浩平の逃げを捲り、2着の古性優作に2車身差で快勝しており、それが大きな自信につながっているはずだ。高松宮記念杯の昨年の準決では寺崎浩平-古性優作に逃げられて9着敗退、一昨年の準決では脇本雄太-南修二に逃げられて3着敗退だったが、今年こそは近畿ラインに負けない破壊力をきっと見せてくれるだろう。

九州はベテラン荒井崇博が元気いっぱいだ。全日本選抜の準決では嘉永泰斗の捲りに乗っての3着で優出、日本選手権の準決では8番手からの山崎賢人の捲りに食らいついての2着で優出している。荒井の頑張りに呼応するかのように九州の自力型も積極的に仕掛けており九州はいいムードだ。全日本選抜の初日特別選抜予選では、太田海也も荒井を連れて逃げ、荒井は2着だった。高松宮記念杯はこの3年は優出がないが、2022年の大会では2、1、2着の好成績で決勝に勝ち上がっており、岸和田バンクとの相性も決して悪くない。

古性優作 大阪 100期
犬伏湧也 徳島 119期
荒井崇博 長崎 82期

直線での鋭さが光る松浦悠士が完全復活を目指す

新山響平は2月の全日本選抜では準決で惜しくも4着と敗れたが、3月の豊橋記念決勝では風速3.6mの風が吹く雨中の対決となったが、前受けから突っ張りきっての逃げ切りと調子はいい。近況は捲りに回されるケースが多く、準決も木村皆斗の逃げを捲っての1着だったが、やはり新山は逃げる姿が一番似合っている。5月の日本選手権は残念ながら二次予選で敗れたが、全プロ記念の初日優秀は逃げての3着で渡部幸訓を1着に導いており、今回も先行主体の走りで近況元気のない北日本に活を入れてほしい。

深谷知広は全プロ記念のスーパープロピストレーサー賞では郡司浩平の逃げに乗り、番手捲りで初優勝を決めた。郡司は落車・欠場明けで自分の調子を見るためにも前回りと決めていたと思われるが、その思いにきっちり応えた深谷の走りもさすがだ。これで深谷は獲得賞金ランキングで6位に浮上して3年ぶりのグランプリ出場が射程圏内に入ってきた。昨年の高松宮記念杯決勝では深谷-郡司-松谷秀幸の並びながら近畿勢の結束力に屈して結果を残せなかったが、今回も深谷と郡司の好タッグで優勝を目指す。

松浦悠士は落車の影響などで昨年は低迷していたが、今年は全日本選抜で優出、日本選手権でも優出を果たしている。全日本選抜の準決は太田海也の逃げに乗って1着突破、日本選手権の準決は大量落車を避けてからの大外強襲での1着と鋭さを発揮している。どちらも優勝には手が届かなかったが、次場所の函館記念では完全優勝を達成。全プロ記念の初日優秀も9番手と最悪の展開となったが、松本貴治の捲りに乗って2着に突っ込んでおり、最後の直線での伸びは目が覚めるほどに素晴らしい。

新山響平 青森 107期
深谷知広 静岡 96期
松浦悠士 広島 98期

プレイバック 2020年 第71回大会 脇本雄太

脇本雄太が完全優勝で4度目のGⅠ制覇

新田祐大-佐藤慎太郎の福島コンビが前受け、3番手に松浦悠士-和田健太郎の即席コンビ、5番手に平原康多-芦澤辰弘の関東コンビ、最後尾に脇本雄太-稲川翔-稲垣裕之の近畿ラインという並びで周回を重ねる。

その並びのままレースは淡々と進んでいくが、赤板ホームから松浦と平原が脇本の仕掛けを警戒しながら、それぞれ車間を切り始める。続けて脇本も車間を切り、新田も誘導との車間を空ける。

そして打鐘の一瞬前から、脇本が一気にスパート。あっという間に前団をのみ込み、4コーナーで先頭に立つ。脇本の仕掛けに合わせて踏み込んだ平原が、稲川と稲垣の間の3番手に入り込み、その内では叩かれた新田が下がっていく。松浦は8番手で最終ホームを通過した。

松浦は最終ホームから巻き返し、スピードよく2番手の稲川まで迫る。稲川の大きなけん制を乗り越えて2番手に入ったが、脇本のかかりがよく、差はなかなか縮まらない。最後は脇本が逃げ切って完全優勝を達成。松浦の捲りに乗った和田が伸びて2着に入り、松浦が3着となった。

バンクの特徴 日本有数の高速バンクでスピード自慢の選手が有利

周長は400m、最大カントは30度56分00秒、みなし直線距離は56.7m。岸和田競輪場は約2年にわたる大規模改修工事を経て、2021年5月にリニューアルオープンし、スピードに乗りやすいバンクとなっている。

昨年6月に開催された高松宮記念杯でのベストタイムは、2日目2Rの予選1で松井宏佑が8番手から捲って叩き出した10秒6。6日間の開催で10秒台が8回出ており、その他のレースもほとんどが11秒台前半のタイムで決まっている。同時開催のパールカップでも、3日間12レースのうち9レースが11秒台のタイムで決まっており、2日目12Rの準決では佐藤水菜が11秒3という驚異的なタイムを叩き出している。

1着、2着の決まり手を見ると、全60レース、パールカップ12レースを除くうち、1着は逃げが7回、捲りが21回、差しが32回。2着は逃げが14回、捲りが11回、差しが20回、マークが15回となっている。

高速バンクだけに捲り有利が基本で、先手ラインの選手が1着を取った回数も18回にとどまっている。しかし、大会の最難関である5日目の準決4レースでは、先行勢もかなり健闘していた。

10Rは深谷知広が捲って1着、3番手を追走した松谷秀幸が2着、番手の岩本俊介が3着と、捲りのラインで上位を独占。9Rは脇本雄太が捲りで1着ながらも、太田海也が逃げ粘って2着、清水裕友が3着に入り、清水は優出を果たしている。

11Rは寺崎浩平が逃げて古性優作が1着、寺崎が2着、近畿コンビを追走した荒井崇博が3着。波乱となったのが12Rだ。松井宏佑-郡司浩平-和田真久留の南関東ラインが人気を集めたが、小林泰正-末木浩二-諸橋愛の上甲信越勢が主導権を取り、その後ろで吉田拓矢と松井が並走に。番手から抜け出した末木が1着、直線で伸びた郡司が2着、諸橋が3着に入った。

高速バンクでは、逃げる選手もスピードに乗れるため、簡単には捲れない。好調選手がそろった準決で、ラインを引っ張る気満々の選手がいるレースでは注意が必要だ。

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