●4月のベストレース 山崎賢人(長崎・111期・S1)
対象レース
開設76周年記念 大楠賞争奪戦 S級特選12R(4月18日)
九州勢は嘉永泰斗を先頭に、山崎、山田庸平、山田英明と4車ラインで挑んだ。大役を任された山崎は、「自力でも番手でもどっちでも準備はできていたけど、今回は泰斗君の『前でやりたい』という気持ちが強かったので」と嘉永の意思を尊重。番手としてレースを支えた。
しかし道中は厳しい展開となる。前受けの眞杉匠が車を下げず、山崎の横で併走状態に持ち込む。内から執拗にプレッシャーを受ける苦しい形となったが、山崎は冷静だった。外併走では半車ほど前へ出し、眞杉に当たられにくい位置を探りながら巧みに対応。そして最終3コーナー前から番手まくりを敢行した。ゴール前では山田庸平に差されたものの、粘り強く2着に踏みとどまった。
このレースで印象的だったのは、番手選手としての高い適性を示した点だ。現代のスピード競輪では、番手選手には横の技術だけでなく、タテ脚も求められる。山崎はその両方を兼ね備えていることを、この一戦で証明してみせた。
「もちろん自分は自力選手なので、まずはそこを磨いていきたい。でも、今後は人の後ろを回る機会も増えてくると思うし、そういう時に今回みたいなレースができれば」
本人も新たな可能性に手応えを感じている様子だった。自在性あふれる走りで、新境地を切り開いた価値ある一戦だった。