30回目を迎えた世界に誇るロードレース大会
栃木県宇都宮市で毎年10月に開催されるロードレースの国際大会「ジャパンカップサイクルロードレース」。1990年に世界選手権が開催されたことを記念して、1992年に創設されたジャパンカップですが、今年は節目となる30回大会を迎えました(2020年、2021年はコロナ禍により開催中止)。
創設当初より世界の名立たるチームや選手が参戦するアジア圏でも最高峰の大会でしたが、昨年からは UCI(国際自転車競技連合)が新設した世界シリーズ戦「UCIプロシリーズ」の一つに選出され、名実ともに日本が世界に誇るハイグレードなロードレース大会へと進化を遂げました。
今大会には海外11チーム、国内8チームの計19チームが出場。海外チームの内、トップカテゴリーのワールドチームが7つと過去最多に並ぶ豪華さで、総勢100名を超える選手たちが宇都宮の地に集結しました。
3年ぶりとなった昨年はコロナ対策でまだ様々な制限がありましたが、今年はほぼこれまで通りのスタイルに戻り、記念すべき30回大会は10月13日(金)~15日(日)の3日間にわたって開催されました。
まず大会のスタートを飾るのは初日のチームプレゼンテーション。商店街のイベント広場で行われましたが、出場選手が一堂に会するとあって、平日の夜にもかかわらず多くの観客が詰めかけました。
翌日は宇都宮市街地の大通りで行われるクリテリウム。2010年から設けられたレースですが、これまで競輪界からも脇本雄太選手や新田祐大選手など、そうそうたる顔ぶれが参戦してきた歴史があります。
同じく、ガールズ選手も毎年クリテリウムに先立ち「ガールズケイリンスペシャルレース」を披露してきました。今年は地元の青木美優選手をはじめ、高橋朋恵選手、藤巻絵里佳選手、當銘直美選手、増田夕華選手、小泉夢菜選手、渡邉栞奈選手の7名が参加し、大会を華やかに彩りました。
クリテリウム会場は宇都宮駅のすぐ近くで、アクセスも便利。比較的レース時間も短いので、気軽に観戦が楽しめます。
最終日はメインとなるロードレース。宇都宮市郊外の森林公園周回コースで行われました。人気の観戦スポットはつづら折りの上りが続く古賀志林道。集まったファンが目の前を走る選手たちに大きな熱い声援を送りました。
今年は朝から生憎の雨で、周回数が短縮されてしまうほどでしたが、悪天候の中でもたくさんの観客が足を運び、ジャパンカップの絶大な人気のほどがうかがえました。
今年の主催者発表による観客動員数はチームプレゼンテーションが約4,800人、クリテリウムが約55,000人、ロードレースが約74,000人、3日間合計で約133,800人でした。
公道を使用するロードレースで、これだけの規模の大会開催には、地元の理解と協力が必要不可欠。ジャパンカップはまさに地域に根付き、愛されている大会だからこそ、長きにわたって多くの人に支持されているのでしょう。改めて30年の重みを感じます。
ジャパンカップの開催には競輪界も補助事業のひとつとして支援しています。
競輪ファンの皆さんも、ぜひ宇都宮に足を運び、ジャパンカップ観戦を楽しんでみてはいかがでしょうか。