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全国大会に向けたeスポーツ機材の整備【精華学園高等学校 清水校】
競輪補助事業 2025.04.02

全国大会に向けたeスポーツ機材の整備【精華学園高等学校 清水校】

#競輪補助事業

eスポーツを通じて「生きがい」や「仲間」を見つけた高校生たち
鈴木奈央選手が学校を訪問

 今回紹介するのは、静岡県の精華学園高等学校 清水校です。静岡の鈴木奈央選手が学校を訪問し、小森清敬校長にお話を伺いました。

向かって左から遠藤悠諒さん、鈴木奈央選手、小森清敬校長

 精華学園は通信制の高等学校で、普通コースの他、体育コース、声優コース、eスポーツコースなど個性豊かなコースが設けられています。

静岡市清水区にある精華学園高等学校 清水校

 eスポーツコースは2年ほど前に新設されたコースですが、当初は7名の生徒に対して5台のゲーミングPCでやりくりしていたそうで、やはり不便なことも多く、大会出場を目指すうえでも機材を充実させる必要がありました。そこで「競輪とオートレースの補助事業」を受け、最新のゲーミングPCを新たに5台導入しました。

 PCが計10台になり、練習環境も向上しましたが、なにより生徒に大きな変化があったと小森校長は話します。

「eスポーツコースの生徒たちのなかにも、かつては不登校であったり引きこもりであったりという子が半数くらいいます。そういう子たちが、仲間と一緒に対面でゲームをするために、外に出て学校に登校するという第一歩を踏み出したというのが一番大きな変化ですね。それはやはり機材や環境が整ったこともきっかけになったと思います」

eスポーツコースの教室の様子

 高校生を対象としたeスポーツ大会「STAGE:0(ステージゼロ)」や「全日本高校eスポーツ選手権」など、念願の全国大会にも出場を果たしました。この大会出場に際しては、一から生徒たち自身で行ったといいます。

「まずは大会探しから始めて、大会エントリー、出場種目やメンバー構成、練習日程の調整まですべて生徒たちで話し合って決めました。彼らにとって初めてのチャレンジでしたが、社会に出たら与えられたものをこなすというのももちろん大事でしょうけれど、その前のプロセスとして自分たちで目的を持って計画するということを重視しているので、そういう意味で大会への出場は生徒たちの視野を広げたと思いますし、大きな成長にも繋がったと感じます」

 この話を聞き、高校時代から自転車競技で様々な大会に出場していた鈴木選手は「みなさんすごいですね。私が高校生のときは監督が全部やってくれて、自分はレースを走るだけだったので…。こういう経験は社会に出てから必ず活きますよね」と感心しきりでした。

キャプテンの遠藤さんにゲーミングPCの操作方法を教わる鈴木選手
実際に鈴木選手も生徒たちとゲームに参加

 eスポーツコースの一期生、現在2年生でキャプテンを務める遠藤悠諒さんにも、PCが増えてどんな変化があったのか尋ねました。

「自分たちがやっているのは基本5対5で対戦するゲームなので、10台あれば仲間同士で対戦できて、終わってからお互いの良かったところや悪かったところを言い合えるのが大きいです。それと、みんなで対面でやると一緒に同じ試合をやっているんだっていうのが実感できて、より絆が深まる感じがします」

 入学したばかりの頃は、ちょっと人見知りの生徒も多く、苦労もあったようですが、みんなで大会出場に向けて頑張ったり、日々のコミュニケーションを重ねていくうちに、今では「ゲーム中に何も言わなくても、それぞれがメンバーの状況を理解して自然と行動できる」ほど、信頼関係が生まれているのだそう。

「やっぱりeスポーツの魅力は仲間との絆なので。優勝したときに仲間と気持ちを分かち合えるというのがすごくいいなと思っています。共通点を持った友達が何人もいるので、この学校に入って本当に良かったです」と笑顔を見せる遠藤さん。

遠藤悠諒さん。将来の目標はプロゲーマー

 鈴木選手は遠藤さんの話に頷きながら、自身の競技の経験と重ねました。

「私もチームパーシュートという4人一組で走る団体種目をやっていたので、コミュニケーションの大事さはよく分かります。レース中はチームメイトの走りを見ながら調子を見極めたり、助け合ったりするのがキーポイントだったんですけど、eスポーツともちょっと似ていますよね。いろいろ通ずるものがあって、やっぱりeスポーツという名前の通り、本当にスポーツなんだなと感じました」

 まずは遠藤さんたちが目指すは日本一。そしてその先の世界一という大きな夢を抱いて、現在は次の大会に向け邁進する日々とのこと。

 小森校長に改めて生徒たちへの思いを聞かせていただきました。

「eスポーツコースの生徒たちは本当にここ1、2年でコミュニケーション能力がずいぶんつきましたし、卒業後も自信を持って世の中に送り出せる子たちだと思っています。彼らの成長や変化を通じて、本校の生徒だけでなく同じような悩みで苦しむ若者に、チャンスは誰にでもある、生きがいや希望は見つけられるんだと伝えられたら嬉しいですね」

小森清敬校長

 最後に鈴木選手に今回の取材を終えての感想を伺いました。

「今まで補助事業といえば病院や検診車といったイメージだったので、こういうところにも使われているんだと初めて知りました。ゲームの体験もさせてもらい、普段ゲームはほとんどしないので難しかったですが、意外と楽しく、みんなが夢中になってやるのが分かるような気がしました。今回はとてもいい機会をいただきました。私たちがレースを走ることで、少しでもこういった活動のお役に立てれば嬉しいと思います」

鈴木奈央選手

 今回の取材の模様は、競輪とオートレースの補助事業を紹介するWEBサイト『CYCLE – JKA SOCIAL ACTION 』に動画と記事で詳しく掲載されます。

 ぜひそちらも併せてご覧ください!

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