3月のベストレース 甲斐俊祐(大分121期)
別府競輪FⅠナイター 3月25日 S級準決勝10R
今シリーズは、師匠・小野俊之のラストラン。これまで師匠とは幾度も同配分はあったが、今回の甲斐の気合の入り方は並々ならぬものがあった。前検日から「師匠への恩返しは結果を残すこと。決勝に絶対乗ります!」と力強く語り、初日予選は気迫の先行で逃げ切り勝ち。東矢昇太-中村健志を連れ込む圧巻の内容だった。
真価を発揮したのは準決勝。本線は初日特選シードの黒沢征治に宿口陽一。戦前は劣勢ムードも否めなかったが、レースは前受けから組み立て、別線の動きを見ながら車を下げると、加速鋭いまくりを放ち、ゴール線を真っ先に駆け抜けた。
レース後、甲斐は勝利の余韻というよりも、首をかしげながら引き揚げ、「自分でもビックリ!」と一言。
理由はレース前、師匠の小野に教えを請うた際の言葉にあった。「前を取って下げて、力を出し切れば行けるぞ」との助言。その通りの展開で勝利をつかんだ。
「本当に行けましたし、自分のことを自分以上に分かってくださっています」
師匠の慧眼に感激し、S級では自身初となる決勝進出を、連勝のおまけ付きで決めた。有形無形の後押しを力に変えて成し遂げた、師匠への見事な恩返しだった。