●5月のベストレース　平原康多（87期・埼玉＝引退）

名古屋競輪GⅠ「第79回　日本選手権競輪」4月30日　S級特別選抜予選10R
競輪界のスーパースターが引退を決意した一番

5月下旬、平原康多氏の電撃引退が発表された。突然のニュースにファンはもちろん、選手や関係者も騒然としたが、ここ数年、落車禍に見舞われ体は満身創痍だったことはみんな知っていた。まだまだ現役にこだわり若手の手本として、上位を相手に抗い続けてほしかったが、身を引くタイミングがここだと本人が判断をしたのだから尊重するしかなかった。

当開催は平原氏の現役最後のレース。一部の報道で平原氏が語ったところによると特別選抜予選で眞杉匠に離れたこの一番で引退を決意したという。そんなレースは、結果として眞杉に続きワンツー決着。離れながらも自力を出すかの勢いで追い上げて再度、付け直し眞杉と決めることができた。関東のこれからを託した後輩との連携にホッとしたものがあったのか…。後日、眞杉も「（ゴールデンレーサー賞でも連携したが）あれが、最後だったのか…」と感傷にひたっていた。魅せて勝つ、華のある走りで突っ走った平原氏の“ラストラン”に最敬礼だ。