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2月の印象に残った選手、レースを紹介!
特集 2025.03.05

2月の印象に残った選手、レースを紹介!

#マンスリーベストプレイヤー

●2月のMVP 脇本雄太(94期・福井)
豊橋競輪場GⅠ「大阪・関西万博協賛第40回読売新聞社杯 全日本選抜競輪」決勝戦 2月24日 

GⅠ6個とKEIRINグランプリ(GP)の計7冠を制したもののみに与えられる「グランプリスラム」の座を手にした。まだその栄誉を手にしたものはおらず、GⅠ初制覇の2018年オールスター競輪(GⅠ)からわずか約6年半という短期間で前人未到の快記録達成となった。

決勝はこれまでGⅠ決勝で3回連係し、2回タイトルを取らせてもらっていた寺崎浩平に身を預けた。寺崎が2角からスパートすると「口が空いたが何とか」と一瞬、ひやりとさせられたが猛然と伸びてVゴールを突き抜けた。「寺崎君の加速がすごくて。あの風の中よく駆けてくれたし強かった。成長を感じましたね」と後輩の活躍に目を細め、感謝した。

記者会見では何度も「近畿の仲間に取らせてもらったもの」と改めてラインの絆を強調した。今節は「腰椎の間に水が溜まってしまい、それが炎症した」と決して万全な状態ではなかったが仲間たちとの共闘で見事に勝ち得た勲章だった。

●2月のレース 山口富生(68期・岐阜)

豊橋競輪場GⅠ「大阪・関西万博協賛第40回読売新聞社杯全日本選抜競輪」 
2月24日 S級一般2R

自ら持つGⅠ最年長勝利記録を更新

前を任せた北津留翼に乗ると直線を鋭く抜け出し、最終日にしてシリーズ初勝利を挙げた。この1着で、昨年11月の小倉GⅠ「第66回朝日新聞社杯競輪祭」の最終日に記録したGⅠにおける最年長勝利記録を自ら更新した。「自分が年を取ったってこともあるけど、思った以上に特別戦線のレベルが上がっているし、初日は(山口)拳矢に離れてしまった。毎日、何をしているのかわからんって状態でした。でも、このままじゃいけないとずっと思っていたんです」と近代のスピード競輪に順応するべく努力している。

今シリーズの中部地区は、藤井侑吾の欠場もあってわずか6人しか出場していない。そのなかに1月に55歳を迎えた山口と、ひとつ前のレースで2着に食い込んだ52歳の志智俊夫が含まれている。もちろん両者の活躍はさすがだが、地区の繁栄という意味では寂しくもある。「昔、中部の黄金時代があったけど今回は6人か…。前のレースで俊夫が外を踏んでいて強いなぁって思ったけど、やっぱ若手が出てこないと。もっとハッパをかけてGⅠに1人でも送り込みたい。そのためには3~5年の時間をかけて。今では纐纈(洸翔)や志田(龍星)あたりですよね。自分が走っているかぎり、若手の指導はやっていきたい」

この日の1着は他地区の北津留を目標に得た結果であり、いわばイレギュラー。中部の層が厚ければ自分の地区でまかなえるわけで、山口は特別戦線をにぎわす若手の台頭を待っている。そのためにも、鬼軍曹がまだまだ最前線に居続けて後輩たちの成長をうながしていく。

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