4月のMVP
児玉碧衣(福岡・108期)
4月2~4日「玉野競輪」
4月17~19日「松山競輪」
4月26~28日「久留米競輪オールガールズクラシック」
今年2月に「牡蠣にアタって…」と2度にわたる食あたりに苦しみ、さらに慢性的な腰痛にも見舞われ散々だった児玉。強行復帰した3月別府では「まともに練習ができず不安しかないです…」とボヤき、続く取手「ガールズケイリンコレクション2024」では7着と大敗を喫した。取手での落ち込み具合は相当なもので、周囲は誰しも一度崩した状態を取り戻すのには相当な時間がかかる、と見ていた。
ところが、4月玉野で完全Vを飾ると、続く松山も完全Vを達成。「脚を取り戻すためにも長い距離を踏みたかった」との言葉通り、航続距離を考慮した組み立てで地道に脚力を取り戻していった。「松山の前に自転車のセッティングを師匠の藤田(剣次)さんにチェックしてもらったら、いい時と比べてかなりズレていたみたいで。その辺をガラッといじってもらったら一気に良くなったんです」と自転車の見直しも復活への一助となった。
地元GⅠを前にすべてが噛み合った。だから前検日から「8割方は戻りました。(GⅠを)戦える状態にまで戻ったし間に合いました!」と取手とは打って変わり、声を弾ませ表情は明るかった。
開催3日間の立ち回りはまさに〝横綱相撲〟と言えるもので、地元の大エースにすべての流れが向く圧巻のレース運びだった。決勝前には「GⅠを制してグランプリ一番乗りを決めたい」と宣言した通り、有言実行の走りで地元の大一番を締め、完全復活を高らかにアピールした。
4月のベストレース
4月26~28日「久留米競輪オールガールズクラシック」26日、初日ガールズ予選9R
當銘直美(愛知・114期)
意識改革が奏功!快進撃は止まらない
今年だけですでに5Vと本格化した當銘。当開催の直前も3連続優勝と勢いを手中にして久留米へと乗り込んできた。ガールズの精鋭たちが揃う大会のなか、調子の良さは相変わらずで、初日は直線を猛然と突き抜けて快勝した。前が併走状態だったことも味方したが、外を回す余裕のタテ脚はキレ味抜群だった。
「今までは周りから言われても、自分がやると決めた練習をしていました。でも今は、以前から練習を見ていただいている舘(泰守)さんの話を聞くようになったんです。もっと早く実践していればよかった(笑)」と、練習環境は変わらずとも意識の変化そして取り組みが奏功し成績は右肩上がりのカーブを描きだした。
準決勝は先行した小林優香の後ろからまくりを放ったが、後続に飲み込まれ惜しくも3着。2着の柳原真緒とは微差で決勝進出を逃した。非常にもったいなかったが、これも経験だ。GⅠ戦線でも十分に戦えることを実証し、この先もまだまだ続く競輪人生の大きな糧となったことだろう。