今月のMVP 新山響平(29)青森107期 S級1班
高校時代から自転車競技で鳴らし、2015年に107期生としてデビュー。めきめきと頭角を現し翌年のルーキーチャンピオンレースを制すると、7月函館記念をデビューから1年と20日で優勝し、新制度GⅢのデビュー最速記録を塗り替えるなど当時から期待を背負いながら順調に育った。
ここ数年は安定した戦績を収めるもビッグ戦線では大きなヒットが無く、そろそろ結果が欲しいと思っていたところで、昨年は9月GⅡ共同通信社杯(岐阜)、10月GⅠ寬仁親王牌競輪(弥彦)、11月GⅠ競輪祭(小倉)と立て続けに決勝まで進んだ。特筆は競輪祭で5走ともにオール連対して決勝2着と大暴れ。機が熟しタイトル奪取も間近と思われた。昨年のリベンジを胸に秘めて戦った今年の競輪祭は、1走目からノリノリで集中力の高さと仕上がりの良さをうかがわせた。決勝は新田祐大に前を託し、潔い判断で番手から飛び出し他の追随を許さずゴール線を突き抜けた。ようやく大輪が花を咲かせた瞬間だった。
夏にはこれまで所属していたナショナルチームの活動に一区切りをつけ、競輪選手一本で戦っていくと覚悟を決めた。そんな矢先のVは、この先の競輪人生を照らし明るい未来を感じさせた。
さて、年末に平塚競輪場で行われるKEIRINグランプリ2022の北日本は新山が乗ったことで佐藤慎太郎、守澤太志、新田祐大と4車になった。各人各様の考えがあり並びは混迷を極めそうだが、新山が先頭で風を切る事だけは間違いないだろう。
レース 小倉競輪「競輪祭」守澤太志 11月26日 11R準決勝
新山響平に前を任せ3番手には菊地圭尚がおり責任の番手回りとなった。後ろ攻めの新山が打鐘前から一気にスパートするとピタリと続き、打鐘過ぎには前受けから飛び付き含みの山田庸平を阻み新山をアシストした。さらに車間をこれでもかと切って新山を献身サポート。その後、出足の違った郡司浩平のまくりは止められなかったものの、マークの岩本俊介を一発で仕留め、内コースを縫ってきた浅井康太の踏み場を返す刀で封じて3着をキープした。郡司の1着は仕方なしとしても新山を2着に残したのはファインプレーだった。
攻撃型追込選手としてその位置をつくりあげた守澤。長らく自分で動いていたため、自力選手との関係性を第一に考えて走る事ができる。追込選手としてのテクニックも一流の域に達している。