さぁダービー(日本選手権競輪)だ。
GIの日程改定後、競輪界でGWの風物詩としてぼちぼち定着してきた。
今年度より選手賞金、手当て関係がアップしたことによりなんとこのダービーの優勝者へ与えられる本賞金が7,100万円越えになったのだ。
まさに大幅アップ。
選手を始め関係者のたゆまぬ努力、そして何より競輪ファンの皆様のおかげである。
上がらないのは僕の原稿料だけ。
ガッデェム。
話をダービーに戻そう。
このGIだけは参加選手の中でも〝特別なGI〟と言う扱いだ。
6日制の長丁場を勝ち上がらなければならない過酷さに加え出場選考基準も『選考期間内の獲得賞金』と実に分かりやすい。
他のGIの選考基準は色々あるけれど必ず選考期間内の競走得点が入ってくる。
我々のランキングは『獲得賞金』であって競走得点では無い事からより競輪の本質に沿ったGIレースと言えるのだ。
さらに優勝者は半永久的に
〝ダービー王〟
と呼ばれる。
競輪界には数多くのタイトルはあるが間違いなく1番メジャーな『王』だ。
筆者も例に漏れずこのダービーが1番獲りたいタイトルであった。
その気持ちが大きかったからか決勝戦にも数多く乗ることが出来たのだがその決勝戦成績は……
準優勝(2着)
3着
4着
5着
6着
泣×100
しかも準優勝の時は微差負け…
とことんダービーの勝利の女神には微笑んでもらえなかった。
しかし1度だけ〝軽く〟微笑んでもらったことがあったかもしれない。
平塚ダービーの決勝戦。
ラスト1周のホームストレッチ。
大量落車の事故が起こってしまいその中に筆者も巻き込まれた。
無事ゴールした選手はなんと4人のみ。
残された5人はバンクに寝転んだ状態だった。
今でも鮮明に覚えている。
落車した瞬間考えた事は…
(ゴールしたのは4人。この落車したメンバーの中で最速で再乗してゴールすれば5着!!)
さすがGI中のGIと呼ばれるダービーは5着賞金でも何と1,000万円オーバーなのだ。
当然落車した5人はその事実を知っている。
いきなりゴングは鳴らされた。
落車再乗バトルが!
もう一心不乱だった。
怪我をしてズルズルで血まみれの身体なんて二の次だ。
かろうじて動く自転車に跨り必死にペダルを漕いだ。
朦朧とする意識の中僕が掴んだ着順は………
〝5着〟
僕の周りの中部勢の先輩達からは優勝したかのように祝福を受けた。
あの時だけはダービーの女神様が微笑んでくれたような………
いや、違うかww